Project/Area Number |
12877106
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (40252457)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 峰太郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70194454)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 血管新生 / ES細胞 / 血管内皮細胞 / 壁細胞 / VEGF / flk1 / PDGF / 血管前駆細胞 |
Research Abstract |
これまで血管新生・再生に関わる液性因子についての情報は蓄積しつつあるが、実際の血管形成プロセスに関与する細胞そのものの発生・分化に関する発生学的研究は極めて乏しい。我々はこれまで血管再生への新しいアプローチとして、マウス胚性幹細胞(embryonic stem cell:ES細胞)を用いた血管内皮細胞及び壁細胞(血管平滑筋及び周皮細胞)の分化誘導及び同細胞を用いた血管構造のin vitro及びin vivoにおける再構築を試みた。その結果、FACSによるcell sorting技術により、ES細胞よりVEGF受容体であるflk1陽性細胞を純化し、更にVEGF及びPDGFなどの増殖因子存在下再培養したところ、flk1陽性細胞は、内皮細胞マーカー(VEカドヘリン、PECAM-1)陽性内皮細胞及び血管平滑筋細胞マーカー(平滑筋αアクチン、PDGF-β受容体)陽性の壁細胞の両方に分化した。また、1個のflk1陽性細胞の培養においても内皮細胞、壁細胞両方の混在したコロニーが得られ、このflk1陽性細胞は血管を構築する細胞いずれをももたらすことのできる血管前駆細胞(Vascular Progenitor Cells;VPC)とも言うべき細胞群であることが明らかとなった。さらに我々は、この細胞をコラーゲンゲル内で3次元的に培養することにより、内皮細胞による管腔形成と壁細胞による裏打ち構造を伴った生体内の血管構造をin vitroにおいて再現することに成功した。本研究では、当初ヒト由来ES細胞を用い、血管構成細胞の誘導が可能であるかについて検討する予定であったが、ヒトES細胞をめぐる社会的状況及び入手の困難さより、マウスES細胞由来VPCを用いin vivoでの血管形成が可能かについて検討を行った。今回LacZを恒常的に発現するES細胞(CCE/nLacZ)を樹立し、FACSセルソーターにて純化したLacZ発現Flk-1陽性細胞を16-17stageのニワトリ胎児心臓にマイクロピペットにて注入したところ、whole-mount染色により脳をはじめとする血管新生部位にLacZ陽性の毛細血管網の形成が認められた。更に、このLacZ陽性細胞は、PECAM-1陽性の内皮細胞及びα-平滑筋アクチン陽性の壁細胞に分化していた。この結果は、ES細胞由来VPCがin vivoにおいてangiogenesisに寄与しうることを示している。更に、ES細胞由来VPCがpostnatalなangiogenesisにおいて血管形成を行いうるかについて検討した。ヌードマウスにVEGFを産生するラットグリオーマ細胞を移植し、その後ES細胞由来VPCを腫瘍増殖部に注入したところ、ES細胞由来VPCによる血管の形成が認められ、ES細胞由来VPCがpostnatalな血管新生の場においても移植されると生着し、血管を創り出せることが明らかになった。
|