Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
関節軟骨,特に荷重関節軟骨には常に機械的刺激が加わり,軟骨細胞内および細胞間シグナル伝達が頻繁に行なわれているが,その詳細は不明である.一方,細胞にUTP(uridine triphosphate)を加えるとUTPが細胞表面のP_<2Y2>受容体に結合し,その結果細胞内ATP(adenosine triphosphate)が細胞膜のC1^-チャネルを介して細胞外に放出されるという現象が乳腺腫瘍細胞において報告されているが,同様のことが関節軟骨で起こっているかは不明である.本年度はまず,培養軟骨細胞におけるシグナル伝達機構に関与する受容体やチャネルを同定することを目的に研究を行った.方法は家兎関節軟骨から単離した軟骨細胞を単層培養した.培養開始後3日目に培養液を廃棄し,各well内をリンゲル液で洗浄の後,UTP溶液を加えsampleとした.対照群ではリンゲル液0.5mlのみ加えた.37℃で5分間incubateした後,Luciferase-Luciferinを加え,ルミノメーターで放出ATP量を測定した.またP_2受容体の阻害剤(スラミン),cl^-チャネル阻害剤(Niflumic acid, DIDS)を加え,ATP放出の抑制効果をみた.その結果,細胞1個当たりのATP放出量(x10^<-4>nM)は,リンゲル液のみ:5.0±2.0,リンゲル液+UTP:14.0±8.5,スラミンのみ:1.9±0.1,スラミン+UTP:2.0±0.1, Niflumic acidのみ:3.3±0.9, Niflumic acid+UTP:4.2±0.6, DIDSのみ:5.0±3.9, DIDS+UTP:4.8±1.2で,ATP放出はUTPを加えることにより刺激され,P_2受容体の阻害剤およびC1^-チャネル阻害剤により有意に抑制されることが示された.すなわち,培養軟骨細胞においてもシグナル伝達機構し,培養軟骨細胞のシグナル伝達機構にP_2受容体やCl^-チャネルが関与していることを明らかにした.次年度はこれらのシグナル伝達にいかなる遺伝子が関与しているのかを明らかにする予定である.
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