Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
我々は,日本語生成にとって主要な役割を果たしている舌運動と脳機能との関係を,脳機能の可塑性をも含めて解明する基礎資料を得るため,本年度においては、左・右側縁部をそれぞれ部分切除した舌切除者を対象とした. 舌運動は,1)舌尖部を自発的に口蓋前方部に突出・挙上する場合,2)舌根部を自発的に軟口蓋部に向けて引き抜く場合、の2通りとした.そして舌運動の際に現れる、左・右の残存舌機能時の運動関連脳磁界を測定し、健常な舌を持つ成人有歯顎者との比較のもと,脳内活動の位置と脳機能の可塑性について検討した.舌運動の観測にあたっては,前年度に用いた下顎運動抑制・光ファイバー式舌運動観測装置に加えて,筋電計と組み合わせた舌運動観測装置を作製し測定した.この筋電計を用いてオトガイ舌筋の動きをトリガーとする方法は光ファイバー式による方法に比べてより純粋な舌運動の観測を可能とした.またヘルメット型脳磁計(Neuromag System)及び3D-MRIの統合システムを用いて,脳磁図によりの計側と脳の解剖的局在との関係を分析した. その結果,特に舌尖部を自発的に引き抜く運動をする際に現れる運動関連磁界は,健常な舌を持つ成人有歯顎者と同様,両側性の等磁界分布パタンを示した.またこれらの反応のピーク時でも,左右ほぼ同じ程度の大きさで後ろ向きの反応を示した.一方,パラトグラムによる舌運動は非対称なパタンを示した. 従って,両者を比較することにより,本実験結果は舌運動制御の脳機能の可塑性を示唆していると思われる. 尚,実験の被験者に関してはその趣旨を説明し同意のもと行った.
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