主要組織適合抗原系(MHC)と舌癌発生:ラット舌癌モデルを用いた研究
Project/Area Number |
12877305
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
病態科学系歯学(含放射線系歯学)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
北野 元生 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (10142118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 喜一 鹿児島大学, 歯学部, 助手
田沼 順一 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20305139)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 舌癌発生モデルラット / 化学発癌 / 舌癌感受性遺伝子 / MHC / RT-1 / QTL / LOH / 4NQO / ラット舌癌モデル / 4NQO誘発舌癌 / 舌癌抵抗性遺伝子 / 主要組織適合抗原系 / ホモヘテロ |
Research Abstract |
ヒトにおける主要組織適合抗原系(MHC、ヒトではHLA抗原)と、特定の疾患との相関を示す数多くの報告がある。この抗原系とある種の病気との相関の仕組みについては、イ)抗原系が免疫応答の個体差を左右している、ロ)この抗原系に構造が似ている異物に対しては免疫寛容が成立し免疫応答が起こり難い、ハ)この抗原系が病原となる物質又は病原体の受容体になる、などが考えられている。事実、自己免疫疾患の多くがHLAとの相関が認められている。しかしながら、悪性腫瘍の発生との相関についてはかなり多くの研究努力が払われてきたにもかかわらず、ごく一部の癌について軽い相関が見られているに過ぎない。そこでわれわれは舌癌好発系(Dark-Agouti=DA)および嫌発系(Wistar/Furth=WF)の2系統のラットを舌癌モデルとして用いて、MHCと舌癌発生との関連の有無を明確にするために本研究を萌芽的研究として実施した。 近年、ラット第20番染色体上のマイクロサテライトの多形性を検索するマーカー遺伝子のプライマーが比較的数多く(約150種)開発されてきたのでこれらのプライマーを利用して、RT-1系(MHC)がまとまって座位をしめている第20番染色体上に発癌に関わるQTLの存在の有無を検索した。まず、上記の舌癌モデルの(DAxWF)F2ラット(雌雄130匹)を用い4NQO誘発舌癌についての発癌実験を行いラットの舌に生じた舌癌の最大径を指標にQTL解析を行った結果、D20Rat60に近接してLODスコアが2.7のQTL(suggestive level)が見つかった。このQTLの座位はRT-1系がまとまっている部位からは少し離れており、TNF(tumor necrosis factor)geneの座位にかなり近い部位であった。そこで上記とは別にF1ラット(雌雄88匹)を作成し、4NQO誘発舌癌発生実験を行い、舌に発生した癌組織からDNAを抽出し、TNFgeneのLOH(loss of heterozygocity)の頻度を調べたところ、高頻度(37%)に見られた。今後は、RT-1遺伝子群やTNFgeneなどを含む候補遺伝子を指標に、第20番染色体に在を占める遺伝子と発癌感受性との関わり合いをより精緻にチェックする必要があると思われた。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)