Project/Area Number |
12877307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 宏 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40038865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
山田 聡 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 日本学術振興会特別研究員(PD)
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70239490)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 根尖性歯周炎 / 遺伝子治療 / 歯周組織由来初代培養細胞株 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
根尖部歯周組織由来の初代培養細胞株の樹立にあたっては、まず、歯科矯正治療中の患者の便宜抜去歯から歯根膜組織を採取し、in vitro培養系にてout-growthさせ歯根膜細胞株を樹立した。また、歯周外科手術時に患者より採取した歯肉切片より、歯肉線維芽細胞株、および上皮系細胞のみを選択的に培養することができる培養液を用いて歯肉上皮細胞株を樹立した。次に、これら初代培養細胞株に外来性遺伝子の導入が可能か否かを検討した。遺伝子導入ベクターとしてpcDNA3.1(-)/Myc-Hisを選択し、外来性遺伝子として、LacZをpcDNA3.1(-)/Myc-Hisに組み込んだLacZリポーターベクターを構築した。これを各種歯周組織由来培養細胞株およびリンパ球系細胞株であるK562に、電気穿孔法あるいはリポソーム法にてトランジェントに遺伝子導入し、X-galにて細胞を染色することにより、LacZリポーターベクターの遺伝子導入効率を比較検討した。その結果、K562へは電気穿孔法により高い遺伝子導入効率を得ることができたが、一方、各種歯周組織由来の初代培養細胞株においては、電気穿孔法あるいはリポソーム法どちらの方法を用いた場合にも、非常に低いLacZリポーターベクターの遺伝子導入効率しか得ることができなかった。これは初代培養細胞株の細胞代謝活性が低いことに起因するものと考えられた。そこで、炎症性サイトカインであるIL-1を培養系に添加し、培養細胞を活性化した状態でのLacZリポーターベクター遺伝子導入を試みたところ、歯肉線維芽細胞株において、高率の遺伝子導入が認められた。これら実験結果より、根尖性歯周炎での炎症性組織への遺伝子治療を想定した場合、外来性遺伝子の病巣部位への選択的な遺伝子導入が可能であることが示唆され、遺伝子治療法開発への重要な知見が得られたものと考えられる。
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