Project/Area Number |
12877319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
補綴理工系歯学
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
大野 弘機 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (70018430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 一彦 北海道医療大学, 歯学部, 助教授 (70168821)
松田 浩一 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20109458)
平井 敏博 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80014273)
金子 寛 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (50285532)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 貴金属合金 / 接着 / 接着性レジン / 4-META / 高温酸化 / 内部酸化 / 機械的結合 / スポンジ構造 |
Research Abstract |
貴金属合金を大気中の高温(700〜800℃)で酸化した場合、Cuが酸化し、外部酸化層(酸化皮膜)と内部酸化層が形成する。高温酸化で形成された内部酸化粒子を酸洗いで除去すると合金表面にミクロなスポンジ構造が形成する。この構造に樹脂を含浸させ、レジンと金属の機械的結合を高めることができる(大野、他:歯科材料・器械17、p108、1998)。内部酸化層の構造は卑金属成分の種類と量によって変化することが明らかになっている。しかし、Cuとともに、InとSnを添加した場合、内部酸化粒子が針状に発達し、酸洗いで充分に除去できないことが判った。これらの結果から、内部酸化と酸洗いを組み合わせてスポンジ構造を合金表面に創製する場合、卑金属成分としてCuのみを含む貴金属合金が適した合金であることが判明した。 そこで本研究では、Au-Pt-Pd-Cu合金について、スポンジ構造の形態変化に及ぼすCuの添加量(10%、20%、30%)の影響を調べた。これらの金合金を大気中で、800℃、1時間加熱し、高温酸化によって内部酸化粒子を形成させた。酸化層の垂直断面を切り出し、鏡面に研磨後、断面をSEN・EPMA(日立、X-650)で分析した。市販の酸洗い液(石福、金・パラクリーナー^【○!R】)を用いて、外部酸化層および内部酸化粒子を溶解した。酸処理後の合金組成をXPS(ESCA-850、島津)で分析した。金属接着プライマーとして、チオリン酸系(METALPRIMER II^<【○!R】>、G-C)を塗布後、接着性レジン(Super-Bond^【○!R】、サンメディカル)を接着させた。同様に断面をSEM・EPMAで分析した。スポンジ構造へのレジンの侵入は顕微レーザラマン分光分析装置(NR-1800,日本分光)で分析した。 その結果、Cuの添加量の増加に伴って、内部酸化粒子の発達が著しくなった。試料の断面をSEMで観察し、酸洗後に内部酸化粒子が完全に除去されていることを確認した。さらに合金表面に形成されたスポンジ構造にレジンが侵入していることを顕微レーザラマン分光分析で確認した。高分子・金属複合構造における結合強さについては、スポンジ構造にレジンを侵入させて重合し、機械的に結合させたのみでは19MPaと低かった。しかし、チオリン酸系の金属接着プライマー(M-Primer II、GC)を併用して、機械的結合と化学的結合を複合させることによって、接着強度は38MPaに向上することが明らかとなった。
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