p53とNF-κBのクロストークによる放射線誘発アポトーシスの制御
Project/Area Number |
12878093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境影響評価(含放射線生物学)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 文男 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (10019672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 浩彦 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (30261895)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | X線 / 紫外線 / アポトーシス / マウス胸腺由来細胞 / p53 / NF-κB / 基本転写因子 / クロストーク / 放射線 / マウス胸腺腫由来細胞 / 転写因子 / 転写コアクチベーター / p300 / Cdk2 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、放射線高感受性のマウス胸腺リンパ腫由来3SB細胞は、X線誘発アポトーシスに高感受性であり、X線照射後に一過性のp53蛋白質の蓄積とNF-κBの機能低下が生じることがわかった。この種のp53とNF-κBの相反する反応(クロストーク)は正常マウス胸腺細胞においても確認され、放射線誘発アポトーシスが両基本転写因子によって密接に制御されていることが示唆された。そこで本研究では、X線とは全く異なるDNA損傷を誘発する紫外線においても同様の反応が見られるか否かについて調べた。実験には、p53が正常に機能する3SB細胞と、3SB細胞から分離したp53欠損細胞(1B1C4細胞)を用いた。既に報告したように、3SB細胞に5GyのX線あるいは20J/m^2の紫外線を照射すると、照射後24時間の培養で100%の細胞がアポトーシスで死滅した。一方、1B1C4細胞に5GyのX線を照射し24時間培養しても10%以下の細胞しかアポトーシスを起こさないのに対して、20J/m^2の紫外線照射では24時問後には約60%の細胞が死滅した。このことは1B1C4細胞の紫外線誘発アポトーシスはp53に依存しないことを示している。また、紫外線照射された1B1C4細胞ではNF-κBの機能低下が観察されなかったことより、変異型p53蛋白質はNF-κBとの共通なクロストーク因子に影響を与えないものと思われる。実際に、紫外線照射された1B1C4細胞についてアポトーシス阻害因子c-IAP1及びc-IAP2の量を測定したが、有意な変化は認められなかった。以上の結果より、マウス胸腺リンパ腫由来細胞の紫外線誘発アポトーシスを誘起するシグナル伝達経路には、p53やNF-κB及びそのクロストーク因子が関係しないことが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)