新規ヒストンシャペロン因子を介したクロマチン構造変換機構の解析
Project/Area Number |
12878114
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀越 正美 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (70242089)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Keywords | プロリン異性化酵素 / クロマチン構造変換 / ヌクレオソーム / FK506 / Spt表現型 / テロメア / DNA / ヒストン |
Research Abstract |
蛋白質構造変換酵素である核型プロリン異性化酵素がクロマチン構造変換活性を有していることを世界に先駆けて明らかにした。核型プロリン異性化酵素がクロマチン構造変換に参画しているという知見は、この分野に全く新しい概念を導入するものであり画期的な成果と言える。また、核型プロリン異性化酵素のヌクレオソーム構造変換活性はプロリン異性化酵素ドメインとは異なるドメインを通して、クロマチン構造変換の関与する生体反応を制御することも明らかにした。以下に詳細を述べる。 1.核型プロリン異性化酵素が、DNAとヒストンからヌクレオソームを構築する活性を試験管内においで有していることを、DNAのトポロジー変換によって検定する系とヌクレオソームの単位を検定する系を用いて示した。 2.核型プロリン異性化酵素によるヌクレオソーム構築活性は、プロリン異性化活性の阻害剤FK506によって阻害されないことを示し、このヌクレオソーム構築活性にプロリン異性化活性は必要でないことを明らかにした。 3.核型プロリン異性化酵素の欠失変異体解析により、プロリン異性化酵素ドメイン以外の荷電に富む領域において、ヌクレオソーム構築活性が担われていることを示した。 4.核型プロリン異性化酵素が生体内においてもクロマチン構造変換活性を有していることを、酵母細胞のクロマチン構造の状態が変化を検出する系を用いて示した。また、その活性を担う領域は試験管内のヌクレオソーム構築活性を担うドメインと同じく非プロリン異性化酵素ドメインであった。 5.核型プロリン異性化酵素が、クロマチン構造変換に関連する遺伝学的表現型であるSpt表現型及び通常転写抑制状態にある染色体末端のテロメアにおけるクロマチン構造の維持・変換に対し、非プロリン異性化酵素ドメインを通して関与していることを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)