トランスジェニックラットにおけるエストロゲン受容体陽性ニューロンの選択的破壊
Project/Area Number |
12878155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
佐久間 康夫 日本医科大学, 医学部, 教授 (70094307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折笠 千登世 (佐藤 千登世) 日本医科大学, 医学部, 助手 (20270671)
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
加藤 昌克 日本医科大学, 医学部, 助教授 (90143239)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | エストロゲン受容体 / 生殖行動 / 性差 / ロードーシス反射 / プロモータ / 融合遺伝子 / トランスジェニックラット / 蛍光タンパク / エストロゲン受容体α / イムノトキシン / in situ hybridization / 免役組織化学 / エストロゲン受容体β / 誘惑行動 / 性腺刺激ホルモン放出ホルモン |
Research Abstract |
エストロゲンは脳の特定領域に分布するエストロゲン受容体(ER)陽性ニューロンを介して生殖内分泌や生殖行動・攻撃行動などを調節する。我々はこれまで、雌ラットの生殖行動を調節する脳内神経回路の研究を進め、エストロゲンの作用に明らかな性差があり、また脳内で部位特異性があることを明かにした。性差や部位特異性は、ER発現の雌雄差、あるいはER活性化に続く転写機序の違いと考えられる。エストロゲンはα受容体(ERα)、1996年Gustafssonらによりクローニングされたβ受容体(ERβ)、さらに膜レベルで未知の機構を介して作用する。生殖行動・攻撃行動の調節にERαが不可欠であることは、ERαノックアウトマウス(Korachら、1993)で示されている。そこで、本研究計画では、これまで我々が雌ラットの誘惑行動とロードーシス反射のそれぞれの調節に決定的な役割を演じている内側視索前野と視床下部腹内側核のERα陽性ニューロンのイムノトキシン法による選択的破壊を目指した。ERαタンパクの遺伝子上流には複数の転写制御領域があり、時期あるいは部位特異的なERα発現に関わると考えられる。kこれまでにERα遺伝子の2kb上流のプロモータP1と、さらに1kb上流のプロモータP0のそれぞれに蛍光タンパクの遺伝子を結合した融合遺伝子を作成し、ラット胚に導入してP0が視床下部や大脳辺縁系のER陽性ニューロンや腎近位尿細管、子宮筋層で使われていることを明らかにした。さらに大脳皮質や海馬など、成熟ラット脳ではERαを認めない脳部位に、生後10日令前後で一過性発現を認めた。現在これら予期しなかった興味ある現象の解明を進めており、本計画の実施には遅れを生じている。ラットにおけるERα陽性ニューロンの蛍光タンパクによる標識は世界的に先例のない先駆的成果である。ERβについては脳内発現に性差を認め、その意義を検討して米国科学アカデミー紀要(2002年2月)に発表したことが特筆される。
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Report
(2 results)
Research Products
(15 results)