Project/Area Number |
12878169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 関節軟骨 / 低分子化合物 / 軟骨細胞 / TGF-β |
Research Abstract |
3.0-3.5kgの雄の日本白色兎の両膝関節に、大腿骨果間軟骨にドリルを用いて3mm径および4mm径で3mmの深さの軟骨下骨に達するsingle full thickness defectを作成した。術後12日めに再び全身麻酔をかけ、TAK778(5mg)を含んだ総量60mgのmicrocapsuleを250μlのmediumに溶かし、1回、右膝関節に注入した。左側にはTAK778を含まないmicrocapsuleを溶かしたmedium250μlを注入した。microcapsuleを注入した後、1週後、および1,2,3,4,6か月後に屠殺し、遠位大腿骨をホルマリン固定し、脱灰しパラフィンに包埋し、組織切片を作成してhematoxilin-eosin染色、toluidine blue染色、safranin O-fast green染色を行い、再生軟骨の性状などを調べた。すべての経過において、滑膜細胞の増殖など、関節炎などの合併症を示唆する所見は認められなかった。control側ではmicrocapsule注入後、関節軟骨の修復までに2か月を要したが、TAK778を注入した側では1か月にて修復が完了した。すなわち、TAK778は関節軟骨修復を促進したと言える。また、4mm径の軟骨欠損では、control側は6か月を経ても修復は認められなかったが、TAK778を注入した側では3か月にて修復された。すなわちTAK778はより大きい軟骨欠損を修復させ得ると考えられる。我々は軟骨前駆細胞株ATDC5細胞で、TAK778によるTGFβの発現誘導効果を確認、報告しているが、この関節軟骨欠損モデルでも術後1週の時点でTGFβの蛋白発現がTAK778投与群で明かに増加していることが免疫染色にて確認された。すなわちTAK778は、関節軟骨欠損をより早く修復させ、より大きな欠損を修復させ得ると考えられる。そしてその効果の発現にTGFβが関与している可能性があると考えられる。したがってTAK778は、関節軟骨の再生を促す物質として有用である可能性がある。
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