Project/Area Number |
12894015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 企画調査 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川崎 昌博 京都大学, 工学研究科, 教授 (70110723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸田 清一郎 東京大学, 工学系研究科, 教授 (10011107)
石渡 孝 広島市立大学, 情報学部, 教授 (40134811)
松見 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (30209605)
岩田 末広 広島大学, 理学研究科, 教授 (20087505)
長村 吉洋 立教大学, 理学部, 教授 (50160841)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Keywords | 大気環境科学 / 数学モデリング / 炭化水素 / 対流圏 / 大気化学反応 / 硫黄化合物 / エアロゾル |
Research Abstract |
21世紀に主流となる複雑適応系科学の一つに大気環境科学がある。大気環境は化学素反応、物質輸送、輻射過程などが相互に関係しているため、化学反応素過程、気象、地球物理、数学モデリング、観測など様々な研究の積み重ねの上に初めて成果を生むものである。いずれの研究分野も基礎科学として不可欠なものであるが、本研究では分子科学の立場から大気における化学反応素過程の解明を目的として調査研究を行うとともに国内・国際研究集会をもったので報告する。 大気中ラジカル種等の微量成分に関して実測とモデル計算の不一致が最近指摘されている。例えば、OHラジカル濃度については、上部対流圏におけるモデル計算結果は過小となる。これについてはアセトンの光分解で生成するメチルラジカルを考慮すべきことが指摘されている。このラジカルは反応化学においては昔からよく研究されているものであり、反応化学基礎研究の成果が生かされた例と言える。 対流圏の大気化学反応では、エアロゾルによる不均一反応、炭化水素・硫黄化合物の酸化反応などが今後解明すべきものとして挙げられ、またラジカルの高感度測定法も求められている。また、局所的な非平衡状態にある分子、すなわちホット原子・分子の反応やクラスター内反応の重要性も検討されはじめている。このような新しい対流圏反応系の知見は、緩和・反応の競争を理解した反応化学の立場から研究することによってはじめて定量的に捕らえることが可能である。分子科学の分野においては、ラジカル反応、励起分子の反応性、クラスターなどについて従来から多くの基礎的な研究がなされており、これらをもとに大気化学反応の研究を行うことで大気化学の解明が一段と進展することが期待される。本企画研究では、素反応過程の実験・理論、そして分光学のそれぞれの分野から第一線の研究者を集い、分子科学の大気化学への寄与を再確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)