マーシャル諸島住民の放射線被曝線量についての国際共同研究-低線量内部被曝線量推定
Project/Area Number |
12897004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 企画調査 |
Research Field |
Public health/Health science
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高橋 達也 長崎大学, 医学部, 講師 (50304928)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤盛 啓成 東北大学, 医学部, 助教授 (50238622)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
齋藤 寛 長崎大学, 医学部, 教授 (80004901)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | マーシャル諸島 / 甲状腺癌 / 甲状腺結節 / 放射線被曝 / ビキニ環礁 / 被曝線量測定 |
Research Abstract |
1993年から1997年まで、マーシャル諸島甲状腺研究(The Marshall Islands Nationwide Thyroid DiseaseStudy)によって、現地で医学的・疫学調査が行われた。 マーシャル諸島住民では、甲状腺結節性病変の有病率が高かった。甲状腺結節の最も一般的な形態は、腺腫様甲状腺腫(adenomatous goiter)であった。しかしながら、本研究で発見された腺腫様甲状腺腫の患者の多くは、医学的治療を必要としなかった。幾多の他の研究と同じように、女性では、男性と比較して甲状腺結節の有病率が高かった。また、有病率は、年齢とともに高くなり、50歳代の女性で最も高率(約50%)であった。甲状腺結節例の約半数は、触診で診断できたが、残りの半数は、超音波診断によってのみ診断し得た(触診できなかった)。 甲状腺機能低下症や甲状腺亢進症(バセドウ病)の様な甲状腺機能の異常は、マーシャル諸島では、比較的まれで、有病率は他国と比較して同程度、もしくは、低かった。太平洋地域(日本を含む)などに多く見られる橋本病(自己免疫性甲状腺炎)は、マーシャル諸島では、まれであった。 甲状腺癌の疑いで43人の患者が、現地のマジェロ病院において、マーシャル諸島甲状腺研究の医療チームによってなされた手術を受けた。この43人中、25人については、病理学的に癌が確認された。外科手術で重篤な合併症は、1人も発生しなかった。 マーシャル諸島全体での、一般住民の甲状腺結節や甲状腺癌の頻度は、従来報告されているよりもかなり高かった。しかし、我々は、ハミルトン博士(Dr.Hamilton)の仮説、すなわち、「甲状腺結節の頻度は、ブラボー実験の時に住んでいた場所とビキニ環礁からの距離に反比例する(ビキニから遠くなると、結節は減る)」、を確認できなかった。この点に関して、ブラボー実験で被曝した住民における甲状腺癌の頻度に関する予備的な分析では、概算した甲状腺放射線被曝量と甲状腺癌有病率は正の相関(被曝量が増えると甲状腺癌も増える)が有意に示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)