アルコールを用いるアミンの脱水的不斉N-アルキル化反応の開拓
Project/Area Number |
12F02336
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 進 名古屋大学, 大学院理学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AGRAWAL Santosh 名古屋大学, 大学院理学研究科, 外国人特別研究員
AGRAWAL Santosh 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | カルボン酸 / 水素化 / アミン / アルコール / N-アルキル化 / 遷移金属触媒 / 脱水素化 |
Research Abstract |
金属錯体触媒を用いるカルボン酸の触媒的水素化法の例はこれまでほぼ皆無問いってよい. 不均一系金属触媒を用いる方法が一般的だが, 高温・高H_2圧を必要とし副反応を伴う. Re^0/Mo^0などの異核金属クラスター触媒を用いる方法では, 芳香環も水素化されてしまうため官能基選択性に乏しい. カルボン酸の水素化が難しいのは, カルボン酸自身が酸であることが一因としてあげられる。一般的にアミドやエステルなど, 不活性カルボニル化合物の水素化は「塩基性」条件下で行われた場合に効果的である場合が多い. カルボン酸自体が提供する「酸性」条件下での水素化の一般的な指導原理が実質的にはないためであると考えられる. 今回新しい考え方として塩基性条件での反応にならないよう, ルイス酸性をもつ「高原子価」遷移金属錯体の利用を考えた。そこで様々な高原子価Re(レニウム)錯体(IReO_2(PPh_3)_2, Cl_3Re(MeCN)(PPh_3)_2など)を触媒前駆体として検討した. これらRe錯体とアルカリ金属塩基以外の添加物(塩基性が非常に低い, イオン性の高いアルカリ金属塩)と様々な多座リン系, 多座アミン系配位子を組み合わせて反応を行った. 高原子価の遷移金属を, よりカチオン性にすれば, より酸性の反応条件を提供できる, と予測した. その結果, ある種の多座リン系配位子とその配位子の誘導体群が、多価Re錯体を用いるカルボン酸の水素化に有効であることを発見した. ある反応条件下(水素圧p^<H2>=1-8MPa, 反応温度T=120~180℃程度)で, Re錯体前駆体(1-2mol%程度)とアルカリ金属塩添加物(~10mol%程度)を用いることにより, より活性の高い分子触媒の形成に基づくカルボン酸の触媒的水素化に成功した。本成果も含めて最終的にはH24年度1件, H25年度2件, 計3件の特許出願にっながった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アルコールを用いるアミンの不斉N-アルキル化に先立ち, 分子触媒の基盤を確立しただけではなく, アルコールをカルボン酸の水素化によって効率よく取得する方法を見いだしたため, バイオマス由来資源に豊富に存在するカルボン酸類の水素化のための分子触媒の基盤を, 世界で初めて提供できたことになる.
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Strategy for Future Research Activity |
ようやく分子触媒とアルコール提供の基盤が整い(3件の特許出願済), アルコールを用いる不斉N-アルキル化へと発展させるところまできたが, その直前に外国人特別研究員は, 2年間の研究期間を待たずして平成26年1月をもって母国インドに帰国し教育研究機関で職を得た. 研究期間が1年2ヶ月ほどで終了したため, 該当なし.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)
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[Patent(Industrial Property Rights)] 配位子, その配位子を含む金属錯体, 及びその金属錯体を用いた反応2014
Inventor(s)
斎藤 進, 野依良治, 三浦隆志, 鳴戸真之, 飯田和希, 高田雄貴, 戸田勝章, 二村聡太, Santosh, Aglawal, Sunkook Lee
Industrial Property Rights Holder
国立大学法人 名古屋大学
Industrial Property Rights Type
特許
Filing Date
2014-03-04
Related Report
Overseas
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