自己推進運動系における自発的対称性の破れとモード分岐
Project/Area Number |
12J00127
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
数理物理・物性基礎(実験)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高畠 芙弥 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 非平衡開放系 / 自己推進運動 / マランゴニ流 / 運動モード転移 / マランゴニ対流 |
Research Abstract |
本研究では、非生物系から成る実空間モデル系の実験を基軸として、生体に代表されるような非平衡開放系における自己推進運動のメカニズムに迫り、その本質を捉えたモデルを構築することを目的としている。本年度は昨年度に引き続き、マランゴニ効果に駆動される自己推進運動系に関する実験と理論的解析を行った。具体的な実験系としては、レーザー光を用いて水上に浮かべた油滴を局所的に加熱することにより引き起こされる、液滴の自己推進運動を扱った。具体的な研究結果を以下に述べる。 (1) 液体基盤の組成(界面活性剤濃度)を変えて系統的な実験を行った結果、界面活性剤濃度に応じて油滴の運動方向が変化することを見出した。界面活性剤濃度が非常に低い場合や純水の場合には液滴はレーザー焦点から逃げるのに対し、十分に濃度が高い時にはレーザー光に引き寄せられる様子が観測された。共同研究により、気水界面・油水界面における界面張力の温度依存性のバランスによって液滴の運動方向が決定付けられることが明らかになった。 (2) 液滴がレーザー光に引き寄せられるような条件下において、レーザー出力を変化させた際の液滴の運動様相を調べた。その結果、レーザー出力を上げていくと、駆動力の増加に伴って静止状態から往復運動、回転運動へと運動モードが変化することが実験的に見出された。この運動モード転移は、駆動力の時間遅れを考慮に入れた力学モデルにより定性的に再現された。これにより、駆動力が十分に大きい時には運動の左右対称性が自発的に破れ、回転運動が生じ得ることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)