頚動脈小体におけるノルアドレナリンによる低酸素受容調節機構
Project/Area Number |
12J00419
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 弘毅 岐阜大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 頚動脈小体 / 化学受容器 / 低酸素 / ノルアドレナリン / ドーパミンβ-水酸化酵素 / 低酸素適応 |
Research Abstract |
低酸素環境下では、動脈血中の酸素分圧低下は末梢化学受容器である頚動脈小体から頚動脈洞枝を介して延髄へ伝えられ、酸素分圧を正常に戻すための呼吸数増加が生じる。この頚動脈小体から延髄へのシグナル伝達はノルアドレナリン(NA)によって抑制的に調節されることが示唆されている。ラットへ週単位の長期間低酸素暴露を行うと、頚動脈小体におけるNA含有量が増加することが報告されている。一方で、1日以内という短期間の低酸素環境下での頚動脈小体におけるNAの発現動態はほとんど知られていない。そこで、NA合成酵素であるドーパミンβ-水酸化酵素(DBH)に着目し、ラットに24時間までの低酸素暴露(10%O_2 in N_2)を0(コントロール)、6、12、18、24時間行い、頚動脈小体におけるDBHの発現変化を捉えることを目的として実験を行った。 ウエスタンブロット法では、コントロール群に比べ12時間暴露群においてDBHシグナルの増強が観察された。免疫組織化学では、コントロール群と比較し12時間暴露群において、化学受容細胞におけるDBH免疫反応性の有意な増強が観察された。 以上の結果から、頚動脈小体の化学受容細胞においてDBHタンパク発現は低酸素暴露後12時間で増加することが明らかとなった。このことから、頚動脈小体の化学受容細胞では低酸素暴露後12時間でNA合成能が一過性に亢進していることが示唆された。それゆえに、本研究で示された化学受容細胞におけるDBH増強の意義は、低酸素環境が継続した際に化学受容細胞のNAを増加させて頚動脈洞枝活性の抑制調節を増強することにあると考えられる。本研究の結果は、低酸素環境の初期段階における適切な呼吸反射に化学受容細胞のNAが貢献している可能性を示唆させるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究結果は、英文論文としてJournal of Histochemistry & Cytochemistry誌に発表した。しかしながら、当初の研究計画における頚動脈小体のアドレナリン受容体の発現解析を進展させることができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
化学受容細胞のノルアドレナリンは頚動脈小体内の細胞要素のうち化学受容細胞や神経終末に作用するのか、血管などの他の構成要素に作用するのかを明らかにする必要がある。そのため、今後の推進方策としてはノルアドレナリンの作用部位であるアドレナリン受容体の頚動脈小体における発現解析を行うことが重要であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)