Project/Area Number |
12J00450
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied pharmacology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒木 良太 大阪大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | グルタミン酸 / 長期隔離飼育マウス / 大脳皮質前頭前野 / セロトニン / 個体間相互作用 |
Research Abstract |
当該年度では、統合失調症発症における「発育期環境要因」に着目した長期隔離飼育モデルマウスの精神異常行動発現の神経化学的基盤を解明し、代謝型グルタミン酸2/3(mGlu2/3)受容体アゴニストの作用を追究することを目的に検討を行った。 長期隔離飼育マウスの異常行動発現のトリガーを探索するため、新奇マウスとの遭遇といった社会的刺激に対する反応性の存在を想定し、新しい方法論を確立した。すなわち、物理的接触による二次的変化を避ける目的で、ケージ内に金網を設置し、新奇マウス(intruderマウス)と遭遇させ精神的ストレスを与えられるような環境/実験システムを構築した。そして本システムを用い、長期隔離飼育マウスの個体間相互作用(コミュニケーション)に対応する行動変化と神経化学的反応について追究した。その結果、intruderマウスとの遭遇時において、長期隔離飼育マウスが群飼育マウスに比べ、ケージ内を激しく動き回り、過興奮反応を示すことを見出した。長期隔離飼育マウスの行動変化は新奇物体や睡眠下マウスの曝露では認められなかったことから、精神的なマウス間相互作用による行動を反映していると考えられた。またin vivo脳微小透析法を行い、行動学的解析に対応する脳特定部位でのアミン神経系の異常を捉えることに成功した。さらにmGlu2/3受容体アゴニストは、個体間相互作用による長期隔離飼育マウスの多動を抑制すると共に、大脳皮質前頭前野のドパミン、セロトニン遊離を抑制することを見出した。 以上の成績から、長期隔離飼育マウスの異常行動発現に関わる神経ネットワークとして、前頭前野モノアミン神経系の活性化が重要であること、またmGlu2/3受容体アゴニストが本活性化を抑制することで薬効を発揮する可能性が示された。
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