Project/Area Number |
12J00521
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Food science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 春弥 京都大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | メタボロミクス / 糖代謝 / LC-MS / PPARα |
Research Abstract |
前年度の研究結果より、脂質代謝制御に重要なPPARαを活性化させた際の代謝物変動について網羅的解析(メタボロミクス解析)を行った結果、リゾホスファチジルコリン(Lysophosphatidylcholine, LPC)が、PPARα活性化により血中、肝臓中で増加することを見出した。 そこで、本年度は、PPARαアンタゴニストを用いた実験及びsiRNAを用いたLPC合成酵素発現抑制実験を行い、肝臓中LPCの生合成経路及び機能解析を行った。また、脂肪細胞における炎症条件下でのLPC刺激による糖取り込み作用の解析を行った。 肝臓に関する検討では、PPARαのアンタゴニストをマウス肝臓初代培養細胞に添加する実験を行い、培養細胞中のLPC合成酵素(ptag7)の発現量が減少するのと同時に、培養上清中のLPC量も減少することを見出した。また、Pla_2g7の発現量をsiRNA処理にて抑制したところ、培養上清中のLPC量が減少することを新たに見出した。これらのことから、PPARαの活性化及びPla_2g7の発現はLPCの生成に重要な役割を担っていることが示された。さらに、マウス肝臓初代培養細胞系においてLPC添加実験を行った結果、PPARα標的遺伝子発現量が増加することを見出した。以上の結果より、PPARα活性化により誘導されたLPCはポジティブフィードバック的に再びPPARαを活性化させる作用があることが示唆された。 脂肪細胞に関する検討では、マクロファージ培養上清あるいは腫瘍壊死因子-α(TNF-α)を添加することでインスリン抵抗性を生じさせた培養脂肪細胞を用いて、LPCが有する糖取込作用について検討を行った。その結果・マクロファージ培養上清あるいは腫瘍壊死因子-α(TNF-α)添加で生じたインスリン抵抗性はLPC添加により一部回復することを見出した。本実験結果から、LPCはインスリン抵抗性によって低下した糖取込作用を一部回復させる能力を有することが示唆された。 本年度の研究結果より、肝臓においてPPARα活性化及びPla_2g7が関与するLPC生成のメカニズムが解明されるのと同時に、脂肪細胞においてLPCが糖代謝異常の改善に寄与することが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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