Project/Area Number |
12J02479
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
筒井 容平 早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | Chemotaxis system / 大域解 / 非圧縮Navier-Stokes方程式 / Div-curl lemma / Navier-Stokes方程式 / Weighted Hardy space / Bounded mean oscillation / Muckenhoupt class |
Research Abstract |
本年度は、当初の予定とは異なりドイツのBonn大学に2012年10月より2013年10月まで滞在したため、一年の半分はドイツでの研究となった。そこでは、受け入れのJaun J. L. Velázquez教授と九州大学の杉山由恵教授と共同でOthmar-Stevens modelとも呼ばれる細胞性粘菌の走化現象を記述するKeller-Segel系の域解の構成と漸近挙動について取り組んだ。扱った方程式系の特徴としては、粘菌が走化性を誘発する化学物質から受ける影響は、精神物理学におけるWeber-Fechnerの法則に従うとしているところと、その化学物質の拡散性の欠如にある。このような方程式系に対しては、どのような条件下で、有限時間または時間無限大で走化性の崩壊(解のL^¥infty normの発散)起きるか? を調べることが主要な問題となる。 大域解の構成ついては、ほほ同時期に行われたAhn-Kangの研究により、走化性の強さを表す定数Cがある条件を満たすときlarge dataに対しても有界な大域解が構成されることが示された。我々が取り組んだのは、それ以外の定数に対しても、初期値に適当な条件を課せば有界な大域解は構成できるか? という問題である。我々は、初期値がある位相で小さければこの命題は正しいことを証明した。漸近挙動については、1次元でC=1の場合に次のようなことが分かった : 十分定数に近い平衡状態に時間無限大で収束するような初期値は選択可能。この結果はまだ成果として弱い部分があるため、さらに研究を発展させてから発表する予定である。 また、非圧縮Navier-Stokes方程式の非線形項に関する一つの評価式であるdiv-curl lemmaを重みを考慮した一般化を行った。得られた不等式は考えている応用にはまだ不十分なところがあるが、Coifman-Lions-Meyer-Semmesらによるoriginalなもので抜け落ちていた場合を扱えることができたことは興味深い点である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非圧縮Navier-Stokes方程式のweighted Hardy spacesを用いた、L^2 energyの時間減衰の解析は一定の結果が得られており、さらなる発展への手がかりも得られた。また、海外渡航中に行った、走化性方程式の研究も始め、本研究の主題である「実解析学の微分方程式への応用」に新たな局面が加わった。
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Strategy for Future Research Activity |
非圧縮Navier-Stokes方程式のL^2 energyの研究では、以前、最良の減衰が扱えていない。この原因は、上述のdiv-curl lemmaに関してさらなる発展が必要であることと、Duhamel項の時間に関する特異点を発生である。後者のほうが重い問題であり、新たなアイデアが必要とされる部分である。 また、走化性方程式に関しては、これまでに得られている大域解の結果は空間3次元以上に関するものであるので、現象的に重要である2次元の場合に同様の結果を得ることを目指す。また、考える領域を全空間から滑らかな境界を持つ有界領域の場合で考える。問題となるのは、いくつかのnormの書き換えがこのような設定の変更に伴い、どのような影響を受けるかである。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)