樹木年輪中放射性炭素14濃度測定による過去の宇宙線強度の復元
Project/Area Number |
12J03218
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三宅 芙沙 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 宇宙線生成核種 / 宇宙線イベント / 太陽活動 / シュワーベサイクル / 放射性炭素 / Solar Proton Event |
Research Abstract |
地球に降り注ぐ宇宙線は、大気と相互作用し様々な2次粒子を生成するが、その中に^<14>Cや^<10>Beといった放射性核種(=宇宙線生成核種)が含まれている。これらの核種は、過去の到来宇宙線量を記録している。 本研究では、次に挙げる事柄を明らかにすることを目的に、樹木年輪中^<14>C濃度の測定を行った。 ・地球への到来宇宙線量が大幅に増加するような宇宙の高エネルギー現象(太陽面爆発によって引き起こされるSPE ; Solar Proton Event、地球近傍で発生した超新星爆発やガンマ線バースト)の探索 ・過去の太陽シュワーベサイクル(平均11年の太陽の特徴的な周期)の調査 本採用期間(2年間)で、西暦550-1101年までの^<14>C濃度測定を実施した。主な成果として、西暦774-775年、993-994年の^<14>C急増イベントの発見(Miyake et al. 2012, 2013a)が挙げられる。西暦993-994年イベントについて、複数の樹木個体を用いた検証を行って再現性を確認した(Miyake et al. submitted)。また、7世紀後半―8世紀初頭にかけてみられる太陽活動極小期(Grand Solar Minimum)におけるシュワーベサイクル周期長の伸びを発見した(Miyake et al. 2013b)。これらの成果(主に^<14>C急増イベントについて)を博士論文としてまとめ、2013年12月末に博士の学位が授与された。 当該年度実施の研究を含む研究実績が評価され、平成25年度名古屋大学学術奨励賞、第4回日本学術振興会育志賞を受賞した。また、本年度は^<14>C急増イベントに関する多くの講演を国丙外で実施した。 西暦775年前後の南極ドームふじアイスコア中の^<10>Be測定も実施し、測定年代に^<10>Beピークを確認した。この結果について、現在論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した目的はほぼ達成された。ただし、測定したデータのデータベース化(電子ファイルとして公表)や、過去2000年間の^<14>C濃度連続測定は完了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の実施により、過去多くの^<14>C増加イベントが存在する可能性が示され、過去の宇宙線イベントを読み解く新たなツールを獲得したと言える。今後さらに長期の年代における^<14>C濃度測定を実施し、^<14>Cイベントの発生頻度を調査する予定である。また、測定データのデータベース化も合わせて行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(33 results)