自閉症児の表情認知と情動処理の過程における特殊な視空間注意の解明
Project/Area Number |
12J03878
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Special needs education
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
磯村 朋子 京都大学, 霊長類研究所, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 自閉症スペクトラム / 表情 / 情動 / 視覚的注意 / 表情認知 / 認知特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉症児における怒り顔への迅速な注意機能(以下、「怒り顔優位性効果」と呼ぶ)とその背景にあるメカニズムを明らかにすることで、自閉症者が示す社会相互作用の障害の基盤を探ることを目的として研究を進めてきた。これまでに、低年齢の自閉症児では同年齢の定型発達児と異なり、怒り顔優位性効果を示さないこと、しかし自閉症児では年齢が上がるにつれてソーシャルスキルの向上とともに効果を示すようになることが明らかになった。また、自閉症児と定型発達児では怒り顔の処理様式が異なり、自閉症児ではまゆげや口などの個々の部分特徴に着目した処理の仕方をしていることがわかった。今年度は、これまでに用いてきた線画表情刺激に加え、より生態的妥当性のある写真画表情刺激を用いて同様の実験を行った。さらに画像にローパスフィルターをかけることで低空間周波数情報のみを抽出し、怒り顔の処理における空間周波数情報の役割について調べた。その結果、線画表情を用いたときと同様に、自閉症児でのみ怒り顔優位性効果が見られなかった。さらにローパスフィルターをかけることで成績が低下したことから、自閉症児はより高空間周波数情報に頼った処理の仕方をしていることが示唆された。今後はより詳細に分析を進め、結果をまとめる予定である。これらの研究結果から、自閉症者が示す特異性のひとつには社会的シグナルに対する自動的な評価とそれに伴う行動調節の機能(重要なシグナルに対していち早く視線を向ける機能)が関わっていることが示唆された。その機能障害が表情認知やコミュニケーションなどの高次の認知機能に影響を与えている可能性があり、自閉症スペクトラムの神経基盤の解明につながる重要な知見が得られたと考えている。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(16 results)