近世日本の倫理思想からの〈作為〉観再考─労働・言語・芸術─

• Project/Area Number: 12J04820
• Research Category: Grant-in-Aid for JSPS Fellows
• Allocation Type: Single-year Grants
• Section: 国内
• Research Field: Philosophy/Ethics
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 板東 洋介 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(PD)
• Project Period (FY): 2012-04-01 – 2015-03-31
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2014)
• Budget Amount: ¥1,590,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥90,000); Fiscal Year 2014: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000); Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000); Fiscal Year 2012: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
• Keywords: 朱子学 / 国学 / 経済思想 / 荻生徂徠 / 山崎闇斎 / 中江藤樹 / 国際情報交換：中華人民共和国 / 東アジア思想 / 本居宣長 / 古事記伝 / 儒教 / 『源氏物語』

Outline of Annual Research Achievements

最終年度となる本年度は、研究計画のとおり、研究の総まとめと、種々の媒を通じての成果の公表を中心として、研究が進められた。
第一年目に行った朱子学研究が、本年、中国にて大きな評価を受けた。平成24年に学会誌『日本思想史学』59号に掲載された論文「おそれとつつしみ─近世日本における「敬」説の受容と展開」が機縁となって、平成25年に国際シンポジウムに招聘されたが、その場での発表原稿に手を加え、中国語訳した「近世日本的“敬”的受容与展開─以中江藤樹、山崎暗斎為中心」が、本年、まず「近年の朱子学研究の中で注目すべきもの」として『福州大学学報』28巻2号に掲載された。その後、中・韓・台・日の研究者が参加したシンポジウム総体の発表原稿とその中国語訳とをまとめた『東亜朱子学的新視野』が北京で発刊された。また、例年依頼されている『朱子学年鑑』の2013年度版も執筆を担当し、すでに2014年10月に発刊された。
研究計画上、本年度は前二年の成果をもとに、今日的問題への提言を積極的に行なうことになっていた。この部門についても多くの成果を得た。一橋大学で行われた日本倫理学会ワークショップにて、経済思想史の研究者やフランス現代思想の研究者とともに、グローバル化する経済社会の中での倫理学の意義について、日本近世思想史研究の立場から提言を行なうよう依頼された。さらにこれが機縁となり、平成27年１月に創刊された新思想誌『nyx』(ニュクス)への寄稿を求められた。そこでは論文「「経世済民」から「経済」へ」によって、本研究の実質的な核心であった熊沢蕃山、荻生徂徠ら近世日本の経済思想家たちの思考の今日的な意義を表明した。また所々での講演依頼も相次いだ。先述のワークショップもそのひとつであるが、さらに2015年3月に比較思想史学会東京例会とネットワーク日本の哲学との二つの場での講演も依頼された。

Research Progress Status

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

26年度が最終年度であるため、記入しない。

Research Products

• [Journal Article] 近世日本的敬説的受容与展開 (2014)
  • Author(s): 板東洋介(中国語訳：曲明)
  • Journal Title: 『福州大学学報』哲学・社会科学版 Volume: 28(2) Pages: 14-23
  • Acknowledgement Compliant
• [Journal Article] 「「経世済民」から「経済」へ」 (2014)
  • Author(s): 板東洋介
  • Journal Title: 『nyx』 Volume: 01 Pages: 96-107
  • Acknowledgement Compliant
• [Journal Article] 近世日本「敬」説的容受与展開-近世前期的中江藤樹与山崎闇斎為中心(中文) (2014)
  • Author(s): 板東洋介
  • Journal Title: 福州大学学報(中華人民共和国・福建省) Volume: 2014年第2期(印刷中)
• [Journal Article] Between hermits and patriots ; the transfiguration in the nature of Kokugaku movement thinkers(英文) (2013)
  • Author(s): Bando Yosuke(板東洋介)
  • Journal Title: 倫理学紀要 Volume: 21 Pages: 1-19
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] 近時(2011-12)日本朱子学研究綜述 (2013)
  • Author(s): 板東洋介(中国語訳:林松涛)
  • Journal Title: 朱子学年鑑 Volume: 1期(掲載確定)
• [Journal Article] 『源氏物語』享受の論理と倫理 (2012)
  • Author(s): 板東洋介
  • Journal Title: 季刊日本思想史 Volume: 80号 Pages: 3-20
• [Journal Article] おそれとつつしみ-近世における「敬」説の受容と展開- (2012)
  • Author(s): 板東洋介
  • Journal Title: 日本思想史学 Volume: 44号 Pages: 138-155
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 「人の「生マレツキ」とは何か─近世日本における「性」論の角逐と帰趨─」 (2015)
  • Author(s): 板東洋介
  • Organizer: ネットワーク日本の哲学 第五回研究会
  • Place of Presentation: 京都大学(京都市左京区)
  • Year and Date: 2015-03-15
  • Invited
• [Presentation] 「漢文の余白─国学の比較思想的伝統について─」 (2015)
  • Author(s): 板東洋介
  • Organizer: 比較思想学会東京例会(平成26年度第二回)
  • Place of Presentation: 大正大学(東京都豊島区)
  • Year and Date: 2015-03-07
  • Invited
• [Presentation] 「学知と日常─「漢意」と「真心」の問題圏から─」 (2014)
  • Author(s): 板東洋介
  • Organizer: 日本倫理学会ワークショップ
  • Place of Presentation: 一橋大学(東京都国立市)
  • Year and Date: 2014-10-03
• [Presentation] 徂徠学派の孔子像-経世論の外部- (2012)
  • Author(s): 板東洋介
  • Organizer: 日本思想史学会
  • Place of Presentation: 愛媛大学城北キャンパス(愛媛県)
  • Year and Date: 2012-10-28
• [Book] 東亜朱子学的新視野 (2015)
  • Author(s): 朱人求・井上厚史(編)
  • Total Pages: 410
  • Publisher: 商務印書館
• [Book] 朱子学年鑑(2013) (2014)
  • Author(s): 朱子学会(編)
  • Total Pages: 325
  • Publisher: 商務印書館
• [Book] 用語集倫理 (2014)
  • Author(s): 菅野覚明・山田忠彰(監修)
  • Total Pages: 322
  • Publisher: 清水書院
• [Book] 『朱子学年鑑』2011-2012 (2013)
  • Author(s): 朱子学会 : 編
  • Total Pages: 6
  • Publisher: 厦門大学出版社(中華人民共和国・福建省)
• [Book] 自然と作為-〈自然〉観の変容(岩波講座 日本の思想 第四巻) (2013)
  • Author(s): 黒住真 : 編
  • Total Pages: 10
  • Publisher: 岩波書店
• [Book] 高等学校新倫理最新版 指導と研究 (2013)
  • Author(s): 菅野覚明・熊野純彦・山田忠彰
  • Publisher: 清水書院(※分担執筆)