磁性多層膜を含む磁気的不均一系におけるスピン緩和機構の理論研究
Project/Area Number |
12J05058
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梅津 信之 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 磁化ダイナミクス / スピントロニクス / スピン緩和 / スピン波 / ラシュバスピン軌道相互作用 / Gilbert緩和 / Landau-Lifshitz-Gilbert方程式 / スピン帯磁率 |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代不揮発性メモリSTT-MRAMの低消費電力化を目的に、磁気緩和定数の低減に対する盛んな取り組みが実験と理論の両方面から行われている。一方で、メモリの大容量化には試料サイズの縮小化が求められるが、有限サイズ効果の顕在化が原因で磁気緩和が増強されることが最近の実験により示された。この結果は磁化が磁性体内で空間に依存した不均一ダイナミクスを起こすことに起因していると考えられる。磁気緩和の観点から、低消費電力化と大容量化を両立させるのは困難であると考えられるが、その困難を軽減すべく本研究では不均一ダイナミクスにおける磁気緩和機構解明を目的に研究を行った。 前年度からRashbaスピン軌道相互作用を用いたモデル計算を行っており、前年度は緩和トルクを与える動的スピントルクの対角項を計算したが、本年度は非対角項の計算を行った。先行研究では非対角項の存在について議論されてこなかったが、不均一ダイナミクス系においてスピン軌道相互作用が存在する場合には、非対角項が存在することを本計算により初めて明らかにした。本研究では非対角項に由来する動的スピントルク項を歪曲項と呼んでいるが、これによってスピン波の振動モードが楕円形の軌跡を描くことを解析的計算により確認している。不純物散乱を考慮して実際の物質を想定した歪曲項係数の定量的評価も行っており、スピン軌道相互作用が強い物質においては歪曲項が観測可能であることを示している。また、歪曲項を利用した信号伝達の新概念技術を考案し、歪曲項の検知方法について提案を行っている。 歪曲項を既存のLandau-Lifshitz-Gilbert方程式に導入することで、スピン軌道相互作用系の磁化ダイナミクスを正確に記述することができる。これによりMRAMに対する磁化反転挙動の緻密なシミュレーションが可能となり、デバイス設計や材料選定に指針を与えられると期待される。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(6 results)