Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
強磁性トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction : MTJ)による生体磁場(心磁界, 脳磁界)の室温測定の実現は, 医療診断や基礎研究に大きく貢献できる. しかしながら, 人体の電気的活動から来る生体磁場は非常に微小な磁場であるため, 現状ではMTJセンサの性能は不足している. 昨年度までに, 膜構成の最適化, 熱処理方法の工夫を行うことで感度に関してはMTJによる生体磁場の計測にある程度の目処が立ったと言える. 本年度は, 生体磁場計測に向けたもう一つの大きな課題である, MTJのノイズの低減を中心に実験を行った. MTJのノイズを低減する方法として, 複数のMTJを直並列に接続し, 各MTJにかかるバイアス電圧を下げる方法がある. 前年度において100×100の集積化MTJの試作を行ったものの, 微細加工の問題により素子の一部がリークパスとなってしまい, 単素子では25%/OeであったMrJセンサの感度が, 集積素子では8%/Oe程度まで減少してしまった. 本年度はこの問題を解決するため, 層間絶縁膜であるSio_2の成膜をスパッタリング法からCVD法に変更した。作製したMTJセンサ100個の磁気抵抗曲線を測定したところ, 98個の素子で正常な抵抗値が得られた. この9割以上の歩留まりが得られる条件で100×100の集積素子を作製したところ, 感度が15%/Oeと改善し, 微細加工の歩留まり向上に成功した. また, さらなるノイズ低減の試みとして, MgO絶縁層膜厚を1.8~2.5nmと変化させ, S/N比の最適化を行った. MgO膜厚が減少するとともに感度とノイズも減少したが, S/N比は2.2nmでピークをとった. このことからセンサ用MTJの設計指針として, 感度が最大となる膜厚ではなくノイズも含めたS/N比で評価を行うことが重要であるという有用な設計指針が得られた.
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