第一原理計算とX線自由電子レーザーを用いた構造解析システムの構築
Project/Area Number |
12J05357
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(理論)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大村 訓史 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Project Status |
Declined (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 密度汎関数法 / 分子動力学法 / 多価イオン / ヨウ化ウラシル / 分子解離 / 電子温度 / 電子状態計算 / 臭化フェノール / 試料崩壊 |
Research Abstract |
本研究では、X線自由電子レーザー(X-FEL)照射によって生じる多価イオン化した分子のイオンダイナミクスの解明および、X-FELを用いた構造解析法を構築する目的で、第一原理分子動力学法に基づく計算機シミュレーションを行っている。前年度は、ベンゼン環にOH基と臭素原子が付加した臭化フェーノールの多価イオン化状態(~+10価)における崩壊メカニズムを明らかにした。本年度は、計算に励起状態の効果を取り入れるため、軌道の占有数をより広く分布させ、電子系の温度を上げた計算を行った。さらに、実際にX-FELの実験で用いられたヨウ化ウラシルをターゲットとし、X-FELで実現される高価数イオン化状態のシミュレーションを行い、その分子解離プロセスの詳細を明らかにした。この研究で得られた成果は以下の通りである。 臭化フェノールの励起状態を取り入れた計算により、適切な電子温度を選ぶことで、実験結果から予想される解離プロセスをよく再現できることが分かった。さらにヨウ化ウラシルに対する計算から、ヨウ化ウラシルの分子解離メカニズムにも臭化フェノールと同様の価数依存性が存在することが明らかとなった。比較的低価数においては、分子はいくつかのフラグメントに解離する。一方、ある程度高価数以上になると、リングの外縁にある水素、酸素、ヨウ素が多価イオン化と同時に解離する。この結果と臭化フェノールの結果を比較することにより、解離プロセスの分子形状依存性を明らかにした。本研究によって、X線自由電子レーザーを用いた実験における分子の崩壊は非常に複雑であるが、分子を高価数にすることで外縁原子に関しては比較的分子の形状を残した状態で解離するということが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(26 results)
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[Journal Article] A divide-conquer-recombine algorithmic paradigm for large spatiotemporal quantum molecular dynamics simulations2014
Author(s)
F. Shimojo, S. Hattori, R. K. Kaila, M. Kunaseth, W. Mou, A. Nakano, K. Nomura, S. Ohmura, P. Rajak, K. Shimamura, and P. Vashishta
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Journal Title
Journal of Chemical Physics
Volume: 140
Issue: 18
DOI
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