インスリン分泌ホルモンによる甘味特異的な情報伝達メカニズムの解明
Project/Area Number |
12J05570
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
髙井 信吾 (2014) 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員(DC1)
高井 信吾 (2012-2013) 九州大学, 歯学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 味覚 / 消化管ホルモン / 末梢感覚 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インスリン分泌ホルモンとして知られているglucagon like peptide-1 (GLP-1)に着目しその味覚情報伝達への関与について検討してきた。その結果、マウス味蕾において、GLP-1発現味細胞の約半数は、甘味受容体ヘテロダイマーを形成するT1R3を共発現していることがわかった。また、GLP-1のレセプターは鼓索神経が入力する膝神経節中のニューロンに発現していた。また、GLP-1レセプターノックアウト (GLP-1R -/-)マウスの鼓索神経の甘味、苦味、酸味、塩味、うま味の各種味物質に対する応答を記録し、野生型 (WT)マウスと比較した結果、GLP-1R -/-マウスではWTマウスと比べて甘味特異的に神経応答が減弱していることがわかった。短時間リック試験を用いた行動実験においても、このKOマウスは、WTマウスと比べて甘味の嗜好性低下していた。さらに、単一味細胞に記録電極を装着し、活動電位を記録することが可能なルーズパッチクランプ法を用い、1分間の味刺激に対する細胞の応答を記録後、記録電極内溶液を回収、分析した。その結果、一部の甘味に応答する細胞はGLP-1を分泌していることがわかった。また、味蕾全体から分泌されるGLP-1量は、刺激濃度依存的に上昇した。WTマウスに対し、大腿静脈よりGLP-1を血中投与すると、鼓索神経中の甘味特異的に応答する単一神経線維において、一過性の活動電位発生頻度の上昇が見られた。さらに、GLP-1注入20分前に、GLP-1レセプターアンタゴニストを前投与するとこのGLP-1に対する応答が有意に抑制されることがわかった。以上の結果は、末梢味覚器においてGLP-1を介した全く新しい味覚情報伝達機構が存在している可能性が高いことを示唆する。この研究成果は米国学術雑誌The FASEB Journalに平成27年2月12日付けで掲載された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(18 results)