Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
昨年度においては、単結晶場での巨大分子を選択的な合成を目指し研究を行い、結晶内にて目的の分子が狙った位置に存在することを確かめるべく、単結晶X線構造解析の条件の最適化を行う過程で、結晶中に包接された分子は結晶化の過程を経ることなくX線構造が得られていることに着目し、この現象のキラル化合物の絶対構造解析に応用した。今年度は、さらにキラルHPLCとこの絶対構造解析手法を組み合わせた。キラルHPLCを用いることで、ラセミ体の化合物の分離を行うことができるが、どのフラクションがどの絶対構造に由来するかを決定するのは、非常に煩雑な手法が必要であった。そこで、分析用のHPLCから得られるマイクログラム量の化合物を、昨年度合成した絶対構造既知の光学活性部位を有する細孔性錯体に包接させることで、そのフラクションに含まれる化合物の絶対構造決定を行った。Phenacyl bromideの水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元により、2-bromo-1-phenylethanolのラセミ体混合物が得られた。それをキラルHPLCにて解析すると、11.7分と12.3分に二つピークが観測された。この一つ目のフラクションを50 µg集め、昨年度合成した細孔性結晶に包接させてX線構造解析を行ったところ、ゲストの構造が明瞭に観測され、骨格に導入されている絶対構造既知の光学活性部位との比較によって、一つ目のフラクションに含まれる化合物がR体であることが明らかとなった。同様にして二つ目のフラクションにおいても、細孔性結晶に包接させX線構造解析を行ったところ、二つ目のフラクションに含まれる化合物がS体であることが明らかとなった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of American Chemical Society
Volume: 136 Issue: 52 Pages: 17899-17901
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http://fujitalab.t.u-tokyo.ac.jp