多重集積化結合量子ドットデバイスによるシリコン中の電子スピン制御に関する研究
Project/Area Number |
12J05629
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Microdevices/Nanodevices
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
蒲原 知宏 東京工業大学, 大学院理工学研究科(工学系), 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | シリコン / 量子ドット / 単電子スピン |
Research Abstract |
本研究の目的は、既存のシリコンテクノロジに量子情報分野を融合する足がかりを作ることである。またこの目的を達成するために、シリコン量子ドット中の電子スピン状態を制御し、量子コンピュータの基本ゲートである回転ゲートや制御ノットゲートを実現することを目標としており、その研究過程でスピントロニクスへの応用も考え、Si中の電子スピン緩和時間測定、要因特定とダイナミクスの物理解明を行う。本研究では、シリコン量子ビットの形成に向けて、まず電子スピンを制御するための構造の提案や計算、作製を行い、またその基礎物性の測定を行なった。この段階においてもSi中の電子に関する新しい知見や単電子の制御技術の向上をさせることができた。しかし同時に、シリコンを用いた単電子スピン制御の難しさも明らかになり、実際の電子スピン制御を行う素子構造の設計に多くの時間を割く必要があった。 次にこれらの計算、及び基礎測定に基づいた電子スピンを制御するための測定システムの立ち上げ、及び実験を実施した。具体的には、測定プログラムの開発、そのプログラムを用いてのデバイスへの磁場・高周波印加実験を行った。またこの結果として、Si中の電子スピン、及びシリコンで近年重要視され出しているバレーに関連すると考えられる電子輸送特性、また電子スピンの方向を制御したことに由来すると考えられる弱い電流ピークを観測した。この結果は更に解析を勧める必要があるが、初のシリコン電子スピン量子ビットに向けた、最も重要な技術の開発ができた可能性があり、本研究における大きな結果であると考えられる。 以上より、研究の最終目標とする多重電子スピン量子ビット自体は達成できていないものの、Si中の電子スピン制御についての基礎技術の開発を進めることができており、Si中における電子スピン量子ビット、ひいては量子コンピュータ実現に向けた重要な技術開発、及び知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)