Project/Area Number |
12J06407
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小倉 有紀子 北海道大学, 大学院生命科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 社会的促進 / 社会採餌 / ドーパミン / 線条体 / 黒質 |
Research Abstract |
他者の存在下で行動量が増える現象は社会的促進と呼ばれる(Crawford 1939)。ヒトからアリに至るまで古くから数多くの報告がある(Zajonc 1965 for review)にもかかわらず、その神経基盤は調べられていなかった。 研究代表者らは、利益に基づいて運動量を決める神経回路が、他者を知覚することで修飾される、という仮説を立てた。内側(腹側)線条体におけるドーパミン性神経伝達が、運動量に基づく意思決定に主要な役割を果たすと考えられている(Floresco et al. 2008 for review)。そこで、前年度は腹側被蓋野から内側(腹側)線条体へ投射するドーパミン性経路に着目した。ニワトリ雛(ヒヨコ)を用い、単独採餌時・社会採餌時それぞれにおける運動量を計測した。内側線条体の電気破壊はベースラインの運動量を下げた一方、社会的促進には影響しなかった。予想に反し、ドーパミン枯渇は行動上の影響をもたらさなかった。 本年度は、腹側被蓋野-内側線条体系と並ぶ主要なドーパミン性投射である黒質-外側線条体系に着目した。これらの系は哺乳類においては機能的に分離していると考えられる(O' Doherty et al. 2004)が、鳥類においては知見が不十分であった。電気破壊、もしくは高濃度のドーパミン枯渇剤により黒質に機械的な損傷を与えたところ、ベースラインの運動量は変わらず、社会的促進が選択的に抑制された。機械的損傷を伴わない程度のドーパミン枯渇は、統制群との間に行動上の差をもたらさなかった。黒質は社会的促進に寄与するものの、ドーパミンを介したものではないと考えられる。 以上から、腹側被蓋野-内側線条体系と黒質-外側線条体系が異なる機能を持つことが示された。すなわち、前者は採餌運動量の決定に、後者はその社会的促進に寄与し、両者は二重に分離していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)