擬β-ターン構造を用いたチオウレア触媒の反応機構解析および新規触媒の開発
Project/Area Number |
12J06505
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 巧 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 有機触媒 / 反応機構 / マンニッヒ反応 / マイケル付加 / ボロン酸 / 反応機構解析 / 不斉Mannich反応 |
Research Abstract |
触媒-基質複合体モデルを用いて(チオ)尿素触媒による不斉マンニッヒ反応の機構解析を行った。触媒-基質複合体のX線結晶構造を得ることに成功し、触媒と基質の水素結合ネットワーグの詳細な構造を明らかとした。また、X線結晶構造をもとにした計算化学による反応機構解析を行い、詳細な不斉マンニッヒ反応の機構を明らかとした。今回得られた反応機構に関する知見は新規触媒を設計する上で非常に差用であるといえる。 また今年度はボロン酸触媒によるα, β不飽和カルボン酸に対する不斉分子内マイケル付加反応の開発にも取り組んだ。α, β不飽和カルボン酸に対する不斉分子内マイケル付加反応はそのカルボン酸の反応性の低さからこれまで報告例がない。当初の予定では上記の研究で得られた知見をもとにチオウレア-ボロン酸複合型触媒による不斉反応を計画していたが、その足がかりとして、まずはボロン酸触媒によるラセミ反応の開発に取り組んだ。その結果、分子内にアミノ基を持つボロン酸が分子内アザ、及びオキサてイケル付加反応に対して触媒活性を持つことを明らかとした。次に不斉反応のためにチオウレア-ボロン酸複合型触媒の研究に取り組んだが合成が困難iであったため、いったんその合成を保留した。我々は次にチオウレア-ボロン酸共触媒系での不斉反応の開発に着手した。種々検討の結果、キラルなアミノチオウレアとアキラルなアリールボロン酸を共触媒として用いることにより高収率工エナンチオ選択的な分子内不斉マイケル付加反応を開発することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前半部分の反応機構解析については論文にまとめて化学雑誌に投稿することができた。また後半部分のα, β不飽和カルボン酸に対する不斉分子内マイケル付加反応の開発については当初とは方法論が変わってしまったものの、別の発想に切り替えることにより目的は達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、共触媒系でのα, β不飽和カルボン酸に対する不斉マイケル付加反応を開発できたが、分子間反応への展開などの課題が挙げられる。その課題を解決するためには当初の計画であったチオウレア―ボロン酸複合型触媒の開発が重要であると考えている。また、どのようなリンカーが二つの触媒部位をつなげるのに適切かを明らかにしていくことで、現在詳細が分かっていない反応機構についても検討していきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)