沈み込みプレート境界のレオロジー:東北地方太平洋沖地震の発生機構の解明に向けて
Project/Area Number |
12J07181
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
澤井 みち代 広島大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | スロー地震 / 東北地方太平洋沖地震 / 摩擦特性 / 藍閃石片岩 / 有効応力 / 高温・高圧実験 / IODP Exedition 343 / 摩擦挙動 / 高速摩擦 / 遠洋性堆積物 / 間隙水圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北日本では深さ20 km 以下の浅い領域でスロー地震が起こっており(例えばIto et al., 2013),その震源が東北地方太平洋沖地震(以下,東北地震)の巨大すべり域をはじめ,地震発生域と一部重なることから,海溝型巨大地震との関係も含め注目されている.そこで本年度は,浅部プレート境界断層の性質を理解するため,プレート境界物質が沈み込み,徐々に温度が上昇していくに従って,摩擦特性がどのように変化するのかを検証した.試料には,東北地震直後に東北沖で採取された堆積物を用い,実験にはオランダ・ユトレヒト大学設置の回転式剪断試験機を使用した.有効圧50 MPa,間隙水圧50 MPa,温度20-200℃,すべり速度0.3-100 micron/s の条件で,断層すべりの安定性を示すパラメータ(a-b)の温度・すべり速度依存性を調べた結果,浅部プレート境界の温度条件(20-50℃)では,すべり速度が上昇するにつれて(a-b)が負から正へと増えていくことがわかった.低温条件下で速度が上がるにつれ安定的な挙動を示そうとするこの傾向は,断層すべりが徐々に速度を増しながら伝播する際のバリアになり,それがスロー地震の発生域の上限になりうる可能性を示唆する.スロー地震は,(a-b)が非常に0に近い負の領域で起こると考えられている.実験の結果,50-100℃の温度条件で(a-b)が0に近い負の値をとることが明らかになり,150℃以上では安定的な挙動(a-b>0)を示した.東北沖沈み込み帯の温度構造から,スロー地震の下限は約100-150℃だと推測され,本実験結果はこの観測結果とよい一致を示している. 以上の結果を,本研究課題1-2年目の成果と合わせて学位論文としてまとめるとともに,地震モデリングの専門家と連携して本研究結果をモデリングに組み込む試みを始めるなど,新たな研究へと発展を遂げている.
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(3 results)
Research Products
(11 results)