Budget Amount *help |
¥3,960,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究では,発癌ウイルスによる自然免疫抑制機構の解明を目的に,発癌ウイルスにより機能が抑制される癌抑制遺伝子p53およびRbによる自然免疫制御機構を解明した.また病原ウイルス潜伏感染における自然免疫制御機構の機能解析を目的に,エイズ原因ウイルスHIV-1に着目し,HIV-1潜伏感染においてCOMMD1/Murr1発現誘導によりTLRおよびサイトカインシグナル応答が顕著に抑制されることを明らかにし,潜伏感染における自然免疫機構の関与を示した. 本年度は,これまでHIV抑制因子として知られていたCOMMD1のHIV-1潜伏感染における機能解明を目的とした.その結果,COMMD1はHIV-1潜伏感染を安定化することが示された.特に興味深いことに,COMMD1の発現を抑制すると,潜伏感染していたHIV-1が再活性化し,潜伏感染細胞から放出されることを明らかにした.さらに,詳細な細胞内シグナル解析より,HIV-1潜伏感染細胞ではJAK/PI3Kシグナルの活性化によりCOMMD1が転写誘導されることを示した. 以上,本研究では宿主の抗ウイルス自然免疫応答を切り口に展開してきた.その成果として,癌抑制遺伝子p53およびRbによるPRRの発現および機能制御系を示した(Mol. Cell. Biol., 2012). また,エイズ治療の最適化を目的としたART副作用研究より,副作用誘導性を考慮した創薬研究の可能性を示した(Free Radic. Biol. Med., 2013).さらにHIV-1潜伏感染に焦点を当てた研究は,HIV抑制因子の1つであるCOMMD1のHIV-1初回感染および潜伏感染における長短二面性を明らかにすることで, HIV抑制因子の定義そのものを再検証する必要性を示唆した( J. Virol., 2015; 熊本大学プレスリリース; 熊本日々新聞).
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