第一原理および非平衡グリーン関数法を用いた熱電変換材料の熱伝導解析
Project/Area Number |
12J08724
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
志賀 拓麿 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | フォノン / 熱電変換 / 第一原理 / 合金 |
Research Abstract |
昨年度は, 第一原理的に得られた原子間力定数を用いて, ボルツマン輸送方程式を逆格子空間で解く非調和格子動力学法を鉛テルライドと鉛セレン, および鉛テルライド・セレン合金結晶にそれぞれ適用した. 純結晶に対しては定量的な解析結果が得られたが, 合金系に対しては格子熱伝導率の低減を過小評価してしまい, 実験結果を再現できない課題があった. この課題を解決するためには, 合金化によって生じる局所実空間中の環境変化を考慮する必要があったため, 当該年度では実空間法である分子動力学法を用いて, 合金結晶の熱伝導解析を行った. 合金化効果のうち, 質量差変化は分子動力学法で容易に取り込むことが可能であるが, 力場差変化の取り込みは比較的難しい. 本来, 合金結晶中の原子間力定数計算は合金化割合や置換原子間の配置それぞれに対して計算する必要があるが, その計算量は極めて膨大になるため, 本研究で用いた第一原理熱伝導解析法の枠組みでは現実的でない. そこで純結晶の原子間力定数を合金化の度合いに応じて混合する経験的な方法を開発・実施し, 鉛テルライド・セレン合金の熱伝導率を計算したところ, 第一原理熱伝導解析で得られた過小評価は改善され, 実験を定量的によく再現する結果が得られた. 本方法論は鉛テルライド・セレン合金のみに留まらない一般的な方法であるため, 他の合金結晶の熱伝導解析においても適用可能であり, 様々な合金結晶の定量的な熱伝導解析に繋がる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
単結晶および合金結晶の定量的な熱伝導計算は順調に進んでおり, 方法論の確立も概ね終了しつつある. また合金化による熱伝導低減メカニズムの解明において重要な合金化効果の定量解析ツールの開発も終了し, 熱電変換の分野で求められる最適な合金化割合や置換元素の提案も可能になっている.
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度は比較的シンプルな構造を有する純結晶および合金結晶の熱伝導解析ツールの開発と適用を行ったが, 現実系への展開に向けては, 複雑な構造を有する材料ヘアプローチしていく必要がある。また合金化が有効な材料の組み合わせを提案するためには, 分子論に立脚した合金化モデルが求められているが, 既存のモデルは力場差の変化を露に考慮していないことから, 数値解析結果を基にモデルの改善を進めることも重要である。一方, 界面熱輸送に関しては, 分子動力学法に基づいた界面熱コンダクタンス計算を行い, 界面における弾性・非弾性的の熱抵抗への影響を評価したが, 非平衡グリーン関数法などの他の方法論との違いを詳細に検証するためまでには至っておらず, 今後の課題となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)
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[Presentation] 中温領域用の熱電変換材料の第一原理熱伝導解析2013
Author(s)
志賀 拓麿, Keivan Esfarjani, 村上 拓, 堀 琢磨, Gang Chen, 塩見 淳一郎
Organizer
第50回日本伝熱シンポジウム
Place of Presentation
ウェスティンホテル仙台およびトラスシティカンファレンス・仙台, 宮城
Year and Date
2013-05-30
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[Presentation] 分子動力学法による鉛テルルの格子熱伝導解析2012
Author(s)
村上拓, 志賀拓麿, 堀琢磨, Tian Zhiting, Esfarjani Keivan, Chen Gang, 塩見淳一郎
Organizer
第49回日本伝熱シンポジウム
Place of Presentation
富山国際会議場, 富山
Year and Date
2012-05-30
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