ろう者の日本手話の文法処理を支える神経基盤の解明: fMRI 研究
Project/Area Number |
12J09028
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
犬伏 知生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2013
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 手話 / 文法処理 / 機能的核磁気共鳴画像法 / VBM |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に引き続き、日本手話の単語・文・文脈レベルの処理の神経基盤について、左前頭皮質の機能的・解剖的役割を検討した。本研究では、それぞれの言語処理のレベルに対応した課題として、手話文における非単語の有無を判断する単語レベルの判断課題(Word task)、文法の誤りを判断する文レベルの判断課題(Sent task)、会話における意味的誤りを判断する文脈レベルの判断課題(Disc task)の3種類の言語課題とコントロール課題を用いた。 昨年度に引き続いて、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて脳活動を計測・解析した結果、Word、Sent、Disc taskの順で、左前頭皮質の左外側運動前皮質から、左下前頭回弁蓋部/三角部、左下前頭回眼窩部へと広がっていく活動パターンが観察された。このようなパターンは、単語・文・文脈という言語情報の統合のレベルに応じて、左前頭皮質が背側から腹側方向に組織化されていることを示唆している。さらにVoxel-Based Morphometryを用いて、実験参加者の各個人の言語能力と局所灰白質体積が相関する部位を検討した結果、Word taskでは左中心前回/中心後回、Sent taskでは右島皮質、Disc課題では左下前頭回眼窩部と楔前部で正の相関が観察された。左中心前回/中心後回は右手の運動/感覚を司る部位に相当し、島皮質と楔前部はそれぞれ構音と空間的注意に関与していると考えられ、これらの領域の持っている手話文の処理を支える働きが示唆される。一方、Disc taskにおいて相関がみられた左下前頭回眼窩部は、脳活動解析でも同じ課題で活動がみられた領域であり、この領域の文脈処理における重要な役割を解剖学的に支持する結果であった。研究の途中結果についてはNeuro2013にて口頭発表を行ったほか、最終的な結果をFrontiers in Human Neuroseience誌にて発表した。さらに一連の研究成果をまとめた博士論文により、課程博士の学位を授与された。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)