昆虫内部複合共生系を成立させる分子機能の解明とその阻害による病虫害制御法の新開発
Project/Area Number |
12J09071
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied entomology
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤原 亜希子 富山大学, 先端ライフサイエンス拠点, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥3,960,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 共生細菌 / 農業害虫 / 複合共生系 / タバココナジラミ / バイオタイプ / 農業室虫 / 植物病原ウイルス / アブラムシ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年は、昨年度までの調査で判明した、日本におけるタバココナジラミ各種遺伝型の分布状況や共生細菌感染状況の詳細をまとめ、国際誌に発表した (Fujiwara et al., 2015)。特に、近年ヨーロッパで分布を拡大している侵入系統MED Q2のアジア初検出事例であるということから、今後日本のみならずアジア各国における タバココナジラミ防除のあり方に新たな方針を与えうる、農業上重要な成果であった。さらに新聞3誌に取り上げられるなど、社会的なインパクトも高いものであった。 また昨年度までの結果では、本種の侵入系統では、1) 必須共生細菌Portieraと二次共生細菌Hamiltonellaが同一の菌細胞において宿主小胞体を介して明確な棲み分けを行っている、2) ゲノムシークエンスの結果から、2種の共生細菌が必須アミノ酸生合成経路を共有している等、非常にユニークな共生系を形成していることが明らかとなった。これを受けて、菌細胞での網羅的発現解析を行ったところ、菌細胞で特異的に高発現するアミノ酸トランスポーターが複数存在することが判明した。この結果は、これらのトランスポーターが2種の共生細菌間の代謝物交換を担っている可能性を示唆している。 さらに、これまで対象としてきた侵入系統とは別に、Hamiltonellaを持たないタバココナジラミ系統における菌細胞複合共生系についても調査した。Hamiltonellaの代わりに二次共生細菌Arsenophonusを保有する在来系統Asis II 6 (バイオタイプ名:Nauru) を用いて蛍光in situハイブリダイゼーションによる局在解析を行ったところ、ArsenophonusはHamiltonellaと同様に、一つの菌細胞内でPortieraと明確に棲み分けを行っている事が判明した。この結果は、本種における菌細胞内棲み分けは、共生細菌側の特性というよりも、宿主であるタバココナジラミが進化の過程で特異的に形成・獲得した共生システムであることを示していると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(20 results)