固体中電子の幾何学とスピン・電荷輸送現象の理論的研究
Project/Area Number |
12J09231
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(理論)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中河西 翔 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2014: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | トポロジカル超伝導 / マヨラナ状態 / キタエフ模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
1次元トポロジカル超伝導体が2本平行に並んだ系を調べた.各々が孤立している場合は各量子細線の両端にマヨラナ状態が現れるが、距離が近い場合にはそれらが相互作用するためどのような状態が実現するかに興味が持たれる.2本の1次元系があることで超伝導位相の差が現れる点が単純なKitaev chainと大きく異なる.超伝導体が近接している場合はJosephson結合が生じる.位相差をθとしてJosephson結合のエネルギーはcosθで与えられる.しかしマヨラナ状態間のJosephson結合はsin(θ/2)という特異なエネルギーを持つことが2本のKitaev chain間に単一電子トンネリングを導入した系から導ける.位相差がバルクでは0であるが端に近づくにつれ有限の値をとるキンク構造を持つことをθに関するGL方程式から導いた.一般にこれまでの研究において有限サイズの系では両端のマヨラナ状態に有限の重なりが生じゼロエネルギー状態ではなくなることが問題とされてきた.ゼロエネルギーであることは基底状態の縮退を意味し、それ故に量子ビットを形成できるからである.一方、位相差の空間的変調を考慮した場合、マヨラナ状態間の重なりを取り入れても基底状態に縮退が残ることが分かった.これは超伝導量子ビットに類似するものと言える.外部磁場を印可することで任意に縮退を破ることが可能であり、量子ビットとしての有用性を期待できる.ここで言う基底状態の縮退はゼロエネルギーマヨラナ状態から直接導かれる従来のものとは異なりこれまでのトポロジカル量子計算の議論を直接適用できるものではないが、位相変調による縮退はマヨラナ状態の帰結である.マヨラナ状態が波動関数の重なりを除いてトポロジカルに保護されているのであるから、ここに現れた縮退もまたトポロジーに起因するものだと言える.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)