Project/Area Number |
12J09520
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Nagoya University (2013) University of Toyama (2012) |
Principal Investigator |
栂 浩平 名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | カースト / 形態形成 / ツールキット遺伝子 / ホルモン |
Research Abstract |
本研究は社会性昆虫におけるカースト特異的な形態形成の発生機構を明らかにすることを目指し, タカサゴシロアリの兵隊分化過程における(1)動物の形作りに関わるツールキット遺伝子や(2)ホルモンのシグナル伝達因子の機能解析を行う. 材料のタカサゴシロアリの兵隊は, 頭部にツノ(nasus)と外分泌腺(額腺)を発達させると同時に, 退縮した大顎を保有する. ミツバチ, アリ, シロアリのカースト分化では, 幼若ホルモン, エクダイソン, インスリンが重要な役割を担うが, ホルモンのシグナル伝達が特異的な形態形成に与える影響はよくわかっていなかった. 前年度までに, タカサゴシロアリの兵隊分化においてこれらのホルモン受容体遺伝子の発現量解析を行い, ホルモンの部位特異的なシグナル伝達が器官発達や退縮に関与することが示唆されていた. 本年度はそれらホルモンの受容体遺伝子のRNA干渉法による機能解析を行った. その結果, エクダイソンの受容体遺伝子のRNAiにより, nasus形成および大顎の退縮が抑制された. したがって, タカサゴシロアリの兵隊分化では, エクダイソンは器官の成長と退縮の両方を制御していることが示唆された. シロアリの兵隊分化は幼若ホルモン量の上昇が兵隊への発生運命の決定にはたらく. これまでエクダイソンが兵隊分化に関わることは, エクダイソン量測定により示唆されていた. 本研究は, エクダイソンのシグナル伝達因子の機能解析によりエクダイソンが兵隊分化に関わることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
いくつかの遺伝子について機能解析を行い, 重要な働きを果たす遺伝子は一つ特定することができた. その一つの遺伝子は兵隊の特異的形態形成に中心的な役割を担う可能性を示唆する結果が得られた. しかし, カースト特異的な形態改変には多数の遺伝子が関わることが予想されるため, さらなる解析が必要となる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに, 候補となる遺伝子を予想し, 機能解析を行ってきた. 兵隊特異的な形態形成には, 多数の遺伝子が関わることが予想される. したがって, 網羅的な遺伝子発現解析を行うことで, 兵隊特異的な形態形成に関わる遺伝子群を特定することが有効な方法となると考えられる.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)