金属への水素侵入および吸蔵機構原子過程に関する研究
Project/Area Number |
12J09548
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 哲 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 水素吸蔵合金 / サブサーフェイス水素 / 共吸着 / 共鳴核反応法 / 水素化触媒反応 / サブサーフェス / 金属水素化物 / 表面水素 |
Research Abstract |
水素の貯蔵は来たるべき水素社会における要素技術であり、金属への固溶はその一つの方法として期待されている。吸収された水素が一所に集まり水素化物が析出すると金属は脆化する。特に表面直下のサブサーフェイスはHにとって安定なサイトであるため、この領域への水素堆積による脆化が懸念されている。また、不純物COの吸着はH2吸放出を減速させることが知られている。当該年度、本研究ではPd (110)表面に共吸着したCOがH2の吸放出を抑制する原子機構およびPd内部での水素濃度分布を検討した。 結果として、COによる抑制効果は、その被覆率に応じて3つの異なる様式が存在することが明らかとなった。まず被覆率0.25ML以下の低被覆域では、迅速なH2吸放出サイトであるPd表面の欠陥サイトへCOが選択的に吸着することによるサイト・ブロッキングが起きる。次に0.6ML程度までの中被覆域では、CO吸着サイト付近で水素誘起のPd (110)表面再構成が解け、同面の特徴である平坦なテラスサイトからの水素吸放出が局所的に抑制されていく。最後に0.6ML以上の高被覆域では、CO誘起の表面再構成が起こり、改めてテラスサイトからH2の吸放出が行われるようになる。共鳴核反応法を用いたPd表面下での水素濃度分布測定から、吸収された水素は190Kを境界として、これ以下の温度ではサブサーフェイス付近に蓄積し、これ以上の温度ではバルクへ広く拡散していくことが分かった。 CO被覆域の増加に伴う上記3つの変化を通して、Pdに吸収されたHの脱離温度は高温へシフトし、最終的には室温を大きく超過して380Kにおいて脱離するようになる。これはPd内部への水素貯蔵に冷却の必要が無くなったことを意味し、貯蔵コスト削減に繋がる重要な発見である。またこの温度領域ではHがサブサーフェイスに堆積しないため、吸蔵合金の高寿命が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)