ライマンアルファ輝線銀河の観測的研究:小質量銀河から探る銀河の成長過程の理解
Project/Area Number |
12J09976
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Astronomy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 王彦 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2013: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2012: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 遠方銀河観測 / 銀河進化 / 星間物質の物理状態 |
Research Abstract |
私は遠方宇宙で探査が進んでいる小質量の星形成銀河であるライマンα輝線銀河の研究をしている. 撮像観測が盛んに行われる一方, その物理的な性質がしっかりと理解されておらず, そもそもどういった銀河であるのかがいまだに謎のままであった. 私はライマンα輝線銀河の物理状態の解明を軸に, 研究を進めている. まず昨年度に引き続き、自らが得た近赤外分光データを基にライマンα輝線銀河の電離パラメーターや重元素量等の性質を調べた. 自らの研究を経て電離パラメーターの重要性を再認識した私は, ライマンα輝線銀河に限らず近傍から遠方まで公開されている様々な銀河サンプルを合わせ, 電離パラメーターの系統的研究を行った. その結果, 電離パラメーターと重元素量, 銀河の星質量と星形成率の間には時代に依存しない普遍的な関係があることが明らかになった. これは銀河の化学進化や, 初期宇宙における銀河の性質を正しく理解する上で非常に重要な示唆となる. 更に私は電離パラメーターを精査し, その値が大きい銀河は電離光子の脱出率が高い天体である可能性を観測的・理論的に明らかにした. 銀河からの電離光子脱出は初期宇宙に起きた宇宙再電離の電離源を解明する上で重要である. ライマンα輝線銀河は特に高い電離パラメーターを持つことが私の観測から明らかになり, 高い電離光子脱出を持ち宇宙再電離に大きく寄与した可能性が示唆される. 私の研究は観測が困難な電離光子脱出に静止系可視のスペクトルから迫ることができることを明らかにした先駆的研究となった. 引き続き, 私はこれらの研究を, ライマンα輝線銀河を中心としたより大きな分光サンプルを基に行っていく. 本研究は私を筆頭著者とする論文にまとめられた(Nakajima & Ouchi 2013, MNRAS submitted, arXiv : 1309.0207). また国内外の研究会でもその研究成果を発表している.
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)