ペプチド鎖間にSS結合を有するインスリンの効率的なフォールディング手法の開発
Project/Area Number |
12J10124
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
荒井 堅太 東海大学, 総合理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012 – 2013
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2013: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | インスリン / リラキシン / フォールデイング / ジスルフィド結合 / ペプチド合成 / SS結合 / 鎖間SS架橋法 / 酸化的フォールディング / DHS^<ox> / 反応速度論解析 |
Research Abstract |
本研究はペプチド鎖間ジスルフィド(SS)架橋法によって天然型インスリの簡便且つ効率的な酸化的フォールディング手法を確立することを目的としている。平成25年度は交付申請書に記載した「研究の目的」に従い、(1)インスリンA鎖およびB鎖を用いたペプチド鎖間SS架橋法によるフォールディング収率の向上を目指した反応条件の検討、(2)インスリンに対して最適化した反応条件の二本鎖ペプチドホルモン、リラキシンへの適用を主要課題として設定し、研究を行った。 (1)の研究課題は交付申請書「研究実施計画」に従って実験を行い、天然型インスリンを高収率で得る為、フォールディング反応の条件検討を行った。フォールディング収率だけでなく反応過程における中間体の生成量に基づいて、温度、pH、添加剤などの条件を緻密に検討し、最適化を行った。結果として、はじめにインスリンA鎖の分子内SS結合を一部架橋し、次に還元型のインスリンB鎖を添加することで分子間SS架橋反応が効果的に促され、良好な収率で天然型のインスリンが得られた。さらに低温、弱塩基性条件下で収率の向上が見られた。また、添加剤として複数のヒドロキシ基を有する水溶性添加剤を適当量加えることで収率をさらに改善することができた。添加剤の作用機序については現在検証中である。現在インスリンのフォールディング収率は35~40%を達成している。続いて課題(2)では、インスリンで最適化した反応条件と同様のものをリラキシンにも応用した。結果的に天然型リラキシンをフォールディング収率45~70%で得ることができ、過去の報告と比較して格段にフォールディング効率を向上させた。 本反応は、添加剤およびpH条件等に工夫を凝らしているが、基本的にインスリンあるいはリラキシンのA鎖とB鎖をモル比1:1で混合しただけであり、従来法と比較して格段に短い反応ステップでフォールディングを達成した。インスリンやリラキシンは医薬品としての需要が高いため、本手法はこれら医薬用ペプチドホルモンの安価な市場供給に貢献できると期待できる。リラキシンのフォールディング手法に関しては2014年2月に特許を出願済みである。現在、これらの結果に関する論文をまとめている。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)