分化抑制因子Id2欠損マウスを用いたNK細胞の発生分化過程の解析
Project/Area Number |
13016207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
横田 義史 福井医科大学, 医学部, 教授 (50222386)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 分化抑制因子 / Id2 / bHLH因子 / NK細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
分化抑制因子Id2は細胞分化に関与するbasic helix-loop-helix(bHLH)型転写因子の機能阻害因子であり、細胞分化抑制能と細胞増殖促進作用をあわせ持つ。本研究の目的は、Id2欠損マウスにみられるNK細胞の分化障害の分子基盤を明らかにしながら、生体における分化抑制因子の役割を解明することにある.本年度の成果は以下のとおりである。 NK細胞の分化にはId2が必須であるが、これがId2のどの領域に依存しているのかを明らかにするために、レトロウイルスを用いたレスキュー実験を計画した。しかし、結果的には技術的な問題により、現在も試行錯誤を続けている。まず、5FU投与したマウスの骨髄細胞にレトロウイルスを感染させることで約30%の感染効率が得られる系を確立した。しかし、この骨髄細胞をIL-15存在下に培養すると、レトロウイルスに感染していない細胞からは20-30%のNK細胞が誘導されるのに対して、感染した細胞からはほとんど誘導されなかった。そこで、種々のストローマ細胞との共培養を試みたところ、最近ようやくレトロウイルスに感染した骨髄細胞からもNK細胞が誘導されるようになった。まだ至適条件を検討する余地はあるが、今後もこの系を用いてNK細胞分化に係わるId2の責任領域を明らかにし、その領域と相互作用を示す因子の同定を経て、NK細胞の分化制御機構を明らかにしたい。またId2欠損マウスは乳汁分泌不全を示すが、妊娠に伴う乳腺上皮細胞の増殖・分化に係わるプロラクチンの細胞内情報はSTAT5に依存しており、NK細胞の分化に係わるIL-15による細胞な情報と一部共通する。Id2がSTAT5の情報伝達系に関与していないか、種々の方法を用いて検討したが、これまでのところそれを指示する結果は得られていない。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)