造血幹細胞のアポトーシス及び細胞周期の転写因子による制御機構の解明
Project/Area Number |
13016208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
犬飼 岳史 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30293450)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 白血病 / 造血幹細胞 / アポトーシス / 転写因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
ヒトt(17;19)急性リンパ性白血病に由来するE2A-HLF融合転写因子によるアポトーシス抑制が、転写共役抑制因子であるGrouchoの発現誘導と強く相関しており、さらにRunx1(AML1)遺伝子発現の抑制と逆相関していることを明らかにした。この結果は、t(17;19)ALLにおける転写機構の破綻においても白血病の代表的な標的遺伝子であるRunx1(AML1)が関与している可能性を示唆している。 一方、BCR-ABL特異的阻害剤として臨床応用されているSTI571を用いて、Philadelphia染色体(Ph1)陽性白血病細胞株のBCR-ABL活性を抑制すると、各種サイトカインに対する感受性を回復し、STI571による細胞死が抑制されてサイトカイン依存性に増殖することを明らかにした。さらに、反応するサイトカンがmyeloid株とlymophid株で異なることも見い出した。この細胞系は従来困難であったヒト造血幹細胞の解析系として有用であると考え、造血幹細胞での転写因子の解析に応用中である。これまでの本研究で、E2A-HLFの下流遺伝子としてZinc-Finger型転写因子であるSlugを同定した。Slugは線虫のCES2下流遺伝子であるCES1と高い相同性を有しアポトーシスを抑制することから、E2A-HLFの白血病化において重要な下流遺伝子であると考えられるが、IL-3依存性マウス造血細胞の系ではE2A-HLFの抗アポトーシス効果にもかかわらずマウスSlug遺伝子は誘導されず、かならずしもヒト白血病での機序を正確に反映していない可能性が示唆された。そこで、前述のPh1陽性白血病細胞株にE2A-HLFをZn inducible vectorで導入後、STI-571とレスキュー可能なサイトカインを用いてサイトカイン依存状態とした上でZnによってE2A-HLFの発現を誘導し、サイトカイン除去によるアポトーシスが抑制されるか、またSlugが誘導されるか検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)