造血幹細胞疾患における異常幹細胞のクローナルな拡大メカニズム
Project/Area Number |
13016210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Research Institute, Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Disaeses |
Principal Investigator |
井上 徳光 大阪府立成人病センター, 研究所, 部長 (80252708)
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Project Period (FY) |
2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / PNH / GPIアンカー / 造血幹細胞 / 再生不良性貧血 / 染色体異常 / 良性腫瘍 |
Research Abstract |
発作性夜間血色素尿症(PNH)は、造血幹細胞の増殖と分化のコントロール機構が破綻し、GPIアンカー欠損造血幹細胞が、正常に比較してクローナルに拡大する疾患である。申請者は、PNHにおける異常造血幹細胞がクローナルに拡大するメカニズムを同定するために、GPIアンカー欠損の原因であるPIG-Aの異常とともに、12番染色体に異常のある症例から、クローナルな拡大に関与していると考えられる染色体異常を解析した。その結果、この異常は、顕微鏡学的には、12番染色体のq13とq15の相互転座と診断されていたが、実際は、12q13からq15の領域のDNA断片がもう一方の12番染色体のq15領域に挿入していることがわかった。さらに、申請者は、その染色体異常の切断部位をDNAレベルまで明らかにした。この挿入により、間葉系の良性腫瘍の形成に関わる遺伝子を同定した。この症例では、染色体異常が原因となり、この遺伝子の発現が誘導されていることにより、GPIアンカー欠損細胞が良性腫瘍的に増加していることが考えられた。GPIアンカー欠損細胞の占める比率の低いPNHでは免疫的な選択が働いて異常細胞の優位な上昇が認められる。しかし、GPIアンカー欠損細胞の占める割合の極めて高い症例では、さらにその細胞に良性腫瘍を起こすのと同じ機序が関わり、異常細胞が増加し、PNHを発症することが示唆された。今後、どのくらいの頻度で、PNHの発症にこの異常が関与しているかを同定していきたい。また、トランスジェニックマウスを作成し、PNHのモデルマウスを作成していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)