Project/Area Number |
13018204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Humanities and Social Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大木 康 東京大学, 東洋文化研究所, 助教授 (70185213)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 中国 / 明代 / 歌謠 / 俗曲 / 歌謡 |
Research Abstract |
中国の明代(1368〜1644)、とりわけその末期には、通俗的な歌謡である各種「俗曲」の流行現象が見られた。この現象は、当時における戯曲や小説など俗文学の隆盛とも並行する興味深い現象である。本研究の目的は、当時の小説、筆記(随筆)などの資料に散見する明代の俗曲を可能なかぎり拾い集め、その定本を作成するとともに、注釈、翻訳などを行い、俗曲研究の進展をはかることにある。 二年間にわたる調査研究を通して、小説、戯曲選集、筆記などに散見される明代俗曲およそ340首(単行本になっているものは除く。また重複を含む)を収集記録した。 2002年3月に刊行予定の『馮夢龍『山歌』の研究』において、馮夢龍が収集した明末蘇州の歌謡である「山歌」約380首すべてについての本文校訂、訳注、翻訳(日本話初訳)を完成することができたことは重要な成果として特筆に値する。 『全明俗曲』編纂の作業を通じて、明代俗曲全般についての理解が深められた。著書『中国遊里空間』第6章「妓楼の遊び」では、明代の妓楼の手引き書として作られた『嫖賭機関』において、色町での秘訣が俗曲「西江月」の形で述べられていることを紹介した。『嫖賭機関』に収められる俗曲「西江月」なども、従来知られなかった新発見資料である。 『馮夢龍『山歌』の研究』は、馮夢龍『山歌』に関する総合的研究であるが、なかでもその第一部論考編第二章「四句山歌の来歴-「場」の考察」第四節「妓楼の歌」及び第五節「文人の戯作」においては、山歌が、他の俗曲と同じ場で歌われていたことを明らかにし、これら俗曲相互の関連を明らかにした。また同書終章「編者馮夢龍と『山歌』の文学」においては、他の俗曲の流行状況を視野に入れながら、山歌俗曲の隆盛の原因をさぐっている。この問題は、論文「晩明俗文学興盛的精神背景」(中国語)としても発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)