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中国恋愛文学の発堀

Research Project

Project/Area Number 13018219
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas

Allocation TypeSingle-year Grants
Review Section Humanities and Social Sciences
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

川合 康三  京都大学, 文学研究科, 教授 (40108965)

Project Period (FY) 2001 – 2002
Project Status Completed (Fiscal Year 2002)
Budget Amount *help
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Keywords恋愛 / きぬぎぬのうた / 楽府 / 友情 / 宕意 / 士大夫 / 俗文学 / 閨怨 / 中国文学 / 悼亡詩 / 閏怨 / 民間文学 / 恋愛詩 / 儒家思想
Research Abstract

中国の文学が他の文学と異なる特徴として、「恋愛文学」に乏しいということが、ことに中国以外の国から指摘され、今日では広く認められている。それは士大夫が担う文学において儒家的な理念が文学をも支配するために、文学の世界にも政治性、倫理性が求められ、もともと私的な感情であり、また往々にして反倫理的である恋愛が遠ざけられたのである。しかしながら、文学の範囲を士大夫の正統的文学を超えて、いわゆる俗文学まで広げれば、古今東西いずれの文化圏でもそうであるように、恋愛が文学の主要なテーマとなっていることは疑いえない。ならば、広く文芸全体のなかで活発に機能していた恋愛の要素は、士大夫の文学のなかにも何らかのかたちで反映しているのではないか、というのが、「恋愛文学の発掘」と題した本研究の出発点である。如上の問題意識を抱いて中国の文学を見直していくと、果たして恋愛文学のいわば痕跡というべきものを見つけることができる。それはたとえば恋愛文学の典型的なモチーフが、士大夫の文学のなかで男女の情愛を唱うことが許された閨怨、悼亡といったジャンルのなかに生かされていること、或いはまた、恋愛文学のモチーフが変形して生き残っているという場合もある。たとえばきぬぎぬの歌のモチーフは夫婦の別離を悲しむ詩において同様の役割を負っているが、しかしきぬぎぬの歌では朝の到来は密会の露見を恐れる意味も帯びていたのが、別離を哀惜するために日が昇っても別れがたいというように、恋愛の含む恐れの感情は消失するといった違いも生じている。また中国では恋愛文学の代替として友情の文学が盛んであると言われてきたが、それは別個のものではなく、友情の文学なるものも恋愛文学の一種の変形として成立しているのではないかと考えられる。そのことからさらに派生して、中国文学の特徴である寓意性も、恋愛文学の痕跡とそれに対する忌避から起こったものという見方も生じてくる。このように中国の文学の重要な諸問題について次々と新たな思考が開けてきた。

Report

(2 results)
  • 2002 Annual Research Report
  • 2001 Annual Research Report
  • Research Products

    (5 results)

All Other

All Publications (5 results)

  • [Publications] 川合 康三: "馮道「長楽老自叙」と白居易「酌吟先生伝」"白居易研究年報. 3. 1-19 (2002)

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  • [Publications] 川合 康三: "宦遊と吏隠"中国読書人の政治と文学(創文社). 261-281 (2002)

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      2002 Annual Research Report
  • [Publications] 川合 康三: "「母胎文学」の構想-中国の恋愛文学を手がかりに-"中国の文学史観(創文社). 133-155 (2002)

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  • [Publications] 川合康三: "中国のアルバ-系譜の詩学"汲古書院. 228 (2003)

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  • [Publications] 川合康三: "「母胎文学」の構想-中国の恋愛文学を手がかりに-"川合康三編『中国の文学史観』(創文社). 133-155 (2002)

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      2001 Annual Research Report

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Published: 2001-04-01   Modified: 2018-03-28  

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