Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1.近年,レーザー治療法の一つである光線力学的療法(Photodynamic Therapy, PDT)はクリーンながん治療法として注目を浴びている。しかしながら,PDTに用いられている従来の光増感剤は暗所毒性,低い腫瘍集積性,低水溶性など多くの課題が残されている。本研究は,生体適合性ならびに生体内部位認識力にすぐれた糖分子を導入したPDT用光増感剤を開発し,ミクロな刺激に同調した生体構造中の分子や分子集合体をデバイスとする生理活性発現システムの抽出という,従来の単なる構造-物性相関という概念を超越した材料システムをPDT分野において構築することを目的としている。本年度はこれまでの糖連結ポルフィリンおよびクロリン誘導体に加えて糖連結フラーレンの合成,物理化学的特性,腫瘍細胞ターゲッテング能,およびPDT効果を精査検討した。 2.ポルフィリンに高い細胞親和性をもたせ,PDTに応用することを目的として,Tetraphenylporphyrine (TPP)を基本骨格とした糖連結ポルフィリン誘導体およびフラーレン誘導体の合成を行った。糖分子として,グルコース・ガラクトース・マンノース,キシロースを選択した。これらの新規PDT用剤の酸素活性化能を評価した。 3.新たに合成したハイブリッド配糖体について,生体分子とシンクロナイズした情報伝播システムとしての可能性を調べるため,培養がん細胞及びマウスに移植したがん細胞に対する細胞毒性を評価した。以上の結果、一部の化合物はPDT用剤として極めての有用であることが判明した。 以上の知見をもとに、今後実用化への展開をめざしていきたい。
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