生理活性物質と同期する光学活性高分子の構造転移挙動
Project/Area Number |
13022238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 隆史 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (80231760)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | キラル高分子 / ナノ材料 / 環境応答性材料 / 構造転移 / 分子認識 / 光学活性 / 感温性高分子 / ハイドロゲル |
Research Abstract |
Poly(N-(L)-(1-hydroxymethyl)propylmethacrylamide)(P(L-HMPMA))の水溶液のCD測定を行った。約20℃で測定したポリマー水溶液のCDスペクトルには197nmと222nmにそれぞれ正と負のcotton効果が現れた。P(L-HMPMA)の構成単位であるモデル化合物を合成し、同じくその水溶液のCD測定を行ったところ、CDスペクトルには193nmと210nmにそれぞれ正と負のcotton効果が認められたものの、そのモル楕円率は両者とも小さく、P(L-HMPMA)水溶液のCDスペクトルとは全く異なっていた。モデル化合物に比べてP(L-HMPMA)水溶液のCDスペクトルの大きい吸収が長波長側で確認されたことから、高分子化することにより構造化が進み、キラリティーの増幅が引き起こされたものと解釈された。P(DL-HMPMA)水溶液のCDスペクトルは不活性であった。 これまでに報告している通り、動的光散乱測定から、P(L-HMPMA)は約90nmの高分子集合体を形成して水に溶解している分っている。これは、水中では高分子鎖が側鎖間の相互作用を伴いながら折り畳まれ、さらにその折り畳まれた状態の高分子鎖が集合したものと解釈している。CD測定の結果から、その高分子鎖の折り畳まれ方がキラリティーの増幅をもたらしているということが示唆される。 P(L-HMPMA)は、約30℃に相転移温度を示す感温性高分子であるが、これまで知られている感温性高分子と異なり、ドメイン構造およびサブユニット構造を持ったタンパク質様の合成高分子であるといえる。システムとして分子シンクロナイゼーションを実現するためには、そのシステムを構成する高分子がタンパク質のような明確な高次構造を持ち、リガンド分子との特異的相互作用の後に高次構造の変化を生起するような性質を備えている必要があると考えられるが、このP(L-HMPMA)は、そうした要素を持った高分子であると期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)