脂質分子のシンクロナイゼーションを利用した分子機能電極システムの設計・構築
Project/Area Number |
13022257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中嶋 直敏 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (80136530)
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 脂質 / フラーレン / シンクロナイゼーション / 分子機能電極 / 相転移 / 電子移動 / 電子移動スイッチ / 示差走査熱分析 / 金属内包フラーレン / 人工脂質 / コンポジットフィルム / La@C82 |
Research Abstract |
脂質分子のシンクロナイゼーションを利用した分子機能電極システムの設計、構築について研究を行い、以下の成果を得た。 フラーレン脂質フィルムの構造解明ならびにこれを素材とする修飾電極デバイスの作成・電子機能の解析を中心に行った。3種のフラーレン脂質の分子設計・合成を行い、この物質から形成されたフラーレンフィルムの構造・電子機能を明らかにした。フラーレンフイルムは、x線ダイアグラムより二分子膜の積層構造形成が明らかになった。示差走査熱分析(DSC)により、フラーレン脂質フィルムは空気中で35.2℃に主転移、47.0℃にサブ転移を持つ。フィルムの相転移は、水中、電解質を含む水中、アセトニトリル中でも観測された。フラーレン脂質フィルムのFTIRの温度依存性より、メチレン対称伸縮、非対称伸縮とも35℃近傍で変化し、このことはDSCで得られる主転移が、結晶相-液晶相の相転移であることを示す。フィルムのフラーレン部位の吸収スペクトルは、サブ相転移で急激に変化し、フラーレンの集合構造がこれらの温度で変化することを示す。 フラーレン脂質フィルムを固定化した電極デバイスは、明確な2段階の電子移動反応を示し、フラーレン部のラジカルアニオンおよびジアニオンが形成できた。この還元反応は、電解質カチオンの種類により、還元電位が大きく変化した。これらはフラーレン部のラジカルアニオンおよびジアニオンと疎水的な電解質カチオンが強い錯体を形成することに起因する。この結果は、電解質カチオンの選択により、フラーレン部位の電子アクセプター能を容易に制御できることを意味する。電極デバイス系での電子移動スイッチは興味ある研究ターゲットである。フラーレン脂質フィルムは、相転移により電子移動スイッチングが可能であることを見いだした。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)