Project/Area Number |
13024242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
神取 秀樹 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (70202033)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | レチナール / 光異性化反応 / プロトン移動 / 赤外分光法 / 光反応中間体 / 水素結合ネットワーク / 内部結合水 / 同位体効果 / バクテリオロドプシン / プロトンポンプ / 異性化反応 / 光情報伝達 / 視物質 / 走光性 |
Research Abstract |
レチナールは視覚やバクテリアの光合成における鍵物質として、光受容から機能発現への道筋を橋渡しする分子である。本研究では、バクテリオロドプシンをはじめとするロドプシン類の鍵物質であるレチナールに注目し、レチナールの異性化反応がどのように一方向へのプロトンの輸送や情報伝達といった機能をもたらすのか明らかにすることを目指した。平成14年度は、低温偏光赤外分光などを用いた実験的研究により、以下のような研究成果が得られた。 バクテリオロドプシンのレチナールシッフ塩基は、異性化反応においても、プロトン移動反応においても重要な役割を演じる。このN-H基がどのような配向をしているかを低温偏光赤外分光法により調べたところ、異性化によって膜に平行に配向することがわかった。シッフ塩基領域にねじれをもった初期中間体の生成は、光エネルギーの取込やその後のプロトン移動過程に重要な役割を演じるものと考えられる。 光をエネルギーに変換するバクテリオロドプシンに対して、同じ古細菌ロドプシンでありながらフォボロドプシンは伝達蛋白質を活性化することによって光を情報へと変換する。そして伝達蛋白質が存在しないとプロトンをポンプすることが知られている。そこで、バクテリオロドプシンを対照としたフォボロドプシンの低温赤外分光による構造変化の解析を行った。例えばバクテリオロドプシンとフォボロドプシンの発色団レチナールから5Å以内には25個のアミノ酸が存在するが、そのうち10個が異なっている。その10個をすべてバクテリオロドプシンのものに置換したフォボロドプシンの多重変異体は吸収がバクテリオロドプシンのようにならないことがわかっていた。そこで多重変異体の構造解析を行い、シッフ塩基の水素結合の強さが吸収波長と直接的な相関をもつことを明らかにした。
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