海洋生物由来の細胞接着阻害物質による癌治療への応用
Project/Area Number |
13024250
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松浦 成昭 大阪大学, 医学部, 教授 (70190402)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東山 繁樹 愛媛大学, 医学部, 教授 (60202272)
河口 直正 大阪大学, 医学部, 助手 (70224748)
|
Project Period (FY) |
2001 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 海洋生物 / 細胞接着 / 血管新生 / 細胞外基質 / 癌治療 / 血管新生因子 / 細胞運動 / 細胞浸潤 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
血管新生は腫瘍が増大するときに必須の減少であり、血管新生がなければ、腫瘍は1-2mm以上には成長しないと報告されている。これまで、癌の治療薬として種々の抗癌剤が開発されてきたが、副作用の面から限定した使用にとどまっているものが少なくない。一方で、血管新生は正常の個体では起こっていない現象であること、新生血管がターゲットで既存の血管とは異なることより、大きな副作用がないことが血管新生を標的にした治療法の利点である。また、血管新生阻害剤による腫瘍の縮小効果がめざましく報告されてきたために、癌の治療法として血管新生に期待が集まり、種々の薬剤が治験に入っている。 昨年度、海洋生物からの有用物質の検索の1つとして、カメノテからの抽出物が血管新生抑制作用があることを見出した。今年度はその基礎をなす研究として基底膜成分であるラミニンの機能性ペプチドIKVAV(イソロイシン-リジン-ヴァリン-アラニン-ヴァリン)が血管新生にどのような作用を持っているかを検討した。 検討した細胞としてラット肺動脈血管内皮細胞TRLECを用いた。この細胞に対して、ラミニンの機能性ペプチドであるIKVAVの作用を細胞増殖、細胞接着、細胞運動、管腔能形形成およびin vivoでの血管新生についてDAS、(dorsal air sac)法で検討を行った。 1)細胞増殖能の検討としてIKVAVを固層化しWSTアッセイを行ったところ、IKVAVは増殖能に有意な影響を及ぼさなかった。 2)IKVAV上での細胞接着能を検討したところ、有意な接着効果を認めた。 3)ランダムな細胞運動能をみるwoundアッセイをIKVAV上で行ったところ、運動能の亢進を認めた。 4)コラーゲン三次元培養アッセイにより管腔形成能の検討を行ったところ、IKVAVは著明に管腔形成を亢進した。 5)DAS法によりin vivoでの血管新生を検討したところ、IKVAVは著明に血管新生を誘導した。 以上より、ラミニンの機能性ペプチドIKVAVは血管内皮細胞に対して細胞接着、細胞運動、管腔形成に働き、血管新生能を有することが明らかになった。このペプチドを競合阻害する天然物を見出すことにより、有効な血管新生阻害物質の開発が可能であると考えられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(14 results)