Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
イトマキヒトデに対する胚発生阻害活性を指標として,徳島産Ancorina属海綿のMeOH抽出物のBuOH可溶画分をODSカラムで分画することにより,活性物質としてAncorinoside A及びそのMg塩と命名した2種の新規テトラミン酸配糖体を得た。Ancorinoside AおよびそのMg塩を0.4μg/ml以上の濃度でイトマキヒトデの受精卵に加えると,胞胚形成の段階で胚発生を選択的に停止させた。受精直後に受精膜を除去した胚をAncorinoside Aの存在下で発生させると,胞胚形成期になっても細胞同士が集合し接着することによって生じる再構築胚の形成がみられなかった。これらのことから,Ancorinoside Aによる胞胚形成阻害は,DNAの合成あるいは分配阻害に基づくものではなく,細胞接着の阻害によるものであることが明らかになった。また,バフンウニに対する胚発生阻害活性を指標として,奄美大島産海綿Geodia exiguaのMeOH抽出物の分画を行い,4種の新規セスキテルペン類を単離した。スペクトルデータ等に基づいて構造決定した結果,これら化合物はいずれもスピロ[4.5]デセン骨格を有しており,6位の置換基の種類のみ異なる類縁体であることがわかった。これらのうち,Exiguamideと命名した6位にホルムアミド基を有する化合物は,X線結晶解析によって立体構造が確証された。Exiguamideは,0.4〜12.0uMの濃度でバフンウニの骨片形成を特異的に阻害したが,他の3種の化合物は阻害活性を示さなかった。このことは,6位の置換基の種類が,阻害活性に大きな影響を及ぼしていることを示している。
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